人には決断をしなくちゃいけないことが人生に何度もある。大きな決断にしろ小さい決断にしろ。私に今、また一つの決断を迫られる時が来たようだ。この2日ほど考えに考え抜き、色んな人からアドバイスを頂き今、私は一つの決断をした。この決断が私にとって間違っていないこと、そして後で後悔しないことを望むばかりだ。
私は先月一ヶ月就職活動をした。結婚してやっと労働ビザというものがおり、私は公の場で働くことができるようになった。だけど去年は結婚した時期が日本で言う、仕事や学校の年度が始まる4月を随分過ぎていたので、就職活動ができなかった。(こちらでいう年度始めは9月、そして私が仕事とする業種は4月から6月までに急募や就職活動をするのである)
あえて就職活動をしなくても私は個人レッスンでそれなりの生徒がいるので仕事になってるのだが、やはりどこか学校で正式に雇われるのと雇われないのでは保険や社会での地位が保証されること、そして自分の経歴を積むにあたってどこかで雇われるのはわずらわしい部分もいっぱいあるが自分の地位が確立されるという部分で魅力的だった。
このウィーンの市内ではかなり険しいこの道での就職。そんな中、ある学校から面接の案内状がきた。この世界、面接の案内をもらうだけでも難関なのだ。それもオペラ座の真裏、あまり詳しくここでは言えないがとりあえずすごいところにその学校はある。そんな学校からの案内状、精一杯持ってるものを出せるように面接に向けて努力したし面接でも自分が持っているものを相手に伝えたつもりだ。そこのシェフとお話をしてみると40から50人の応募の中から私を選んで下さったらしい。そしてその上、シェフにも気にいってもらいその場でアナタを雇いたい!という返事を頂いた。
私がそのシェフ(校長)からこの学校の方針や教育のモットーなどを聞き、私とは違う、私のやりたい方針ではないと思いつつも、こんな機会はなかなかない。1、2年ここで働いて経歴を積んで次に進めればと思い一生懸命努力した。教育方針は違っても色んなところでおめでとう!と祝福の声をかけてもらえると頑張らなくてはと思った。
だけどその後のその学校のあり方、雇うにあたっての手続きや金銭の問題、色んな部分に不透明さを私は感じ、折角頂いたお話を今日断ることにした。これは私の贅沢かもしれない。もしかしたらこんなチャンスはこれからないかもしれないし、チャンスを与えて下さったものに従うのが私の身分には相応してるのかもしれない。それでも私自信が不信に思い、でもこれが私のわがままや贅沢でなのかという思いもあったので、この世界で活躍されている私の教授に聞いてみたり、信頼のできる人、色々な人に聞いてみたが皆、私と同じ意見だった。もしかしたら本当にこれは私の間違いかもしれない。だけど私は今、自分で考え、そして色んな人のアドバイスを受け決断に至った。
この世界でのこの就職難、勿体ない話かもしれない。だけど私は自分の決断が間違ってないことを信じ、前に進もうと思う。また私の人生が一から始まる。