ネネとクク

うちのクリ子さん、何を思ったか、日本に帰る前からすごく意気込んでらっしゃる。いやいや、そんなことしなくても・・・と言っても、彼はいやいや、折角のチャンスだから!だと・・・

一体、彼は何をそこまで意気込んでいるんだろう・・・

それは姪っ子、ネネに英才教育?をすること。って言ってもそんな大袈裟なものではないのだが、赤ちゃんの時からドイツ語で話かけて耳で覚えさすのだとか。

だから日本に発つ前も、”僕、ネネとはドイツ語でしか喋らないから!”と言い切っていた。

そして念願のネネと我が家の坊や、クリ子こと、ククのご対面。

“Hallo~、ネネ~!!”とネネに喋りかけるクリ子。

ネネの反応は以下の通り・・・

なんじゃこいつ?見たこともない顔な上に、なんか目も鼻も大きくてなんか変だぞ?なんか怖いぞ!ジ~っと見つめるも、段々不安になってきたらしく顔が歪んできた。その上、訳のわからん言語で話しかけてくる。顔も奇妙だし、言葉もなんか変な言葉だし、ママ~助けて~!!ウェ~ン~と泣き出す始末。

その後も数日間、クリ子の顔を見るだけで不安げになり、ぐずりだす始末。クリ子ピンチ~!!

クリ子も、ネネが僕の顔みるだけで泣き出しそうやから・・・とちょっとネネから逃げ腰。それでもクリ子、諦めなかった。機会をうかがってはネネに優しくドイツ語で喋りかけていく。その甲斐があってか、そのうちネネの顔が歪まなくなった。あ!このおじさん、実は優しい人なのかも??と、クリおじさんを認めてからは、ネネとクリ子をほっておくと、二人で仲良く遊ぶようになっていった。

ある時は、ネネと歩く練習。ある時はネネのしこ踏んじゃったダンスにつき合い、ある時はドイツ語の歌を歌っては聞かせ、なかなか素敵なコンビ、ネネとクク。

一年に一度ぐらいしか日本には帰れないので、ネネがクリ子からドイツ語を学ぶことは難しいだろうが、赤ちゃんの頃から、外国語に聞きなれていくうちに、私達が持っている、外国語だと思うだけで、頭がパニックになる恐怖心だけでもネネは持たず、外国語に親しみを持ってくれればいいな・・と思うのでした。

そして今日もクリ子はウィーンの我が家で、おもちゃのチャチャチャを口ずさむのでありました。