すぐ集まってくれる家族

金曜日の昼頃、突然私の携帯が鳴り出した。あれ?誰からかしら??そこには、クリ子の母ちゃんの名前が出ていた。

ハロ~ムッティー(英語でいうマミィーみたいなもの)!元気??どうしたの~なんかあったの~??

いや~、旅に行く前にアナタ達に取りにきてほしいものがあるのよ~。ちょっと用意したものがあってね、これ役に立つかと思って・・・。

わかった。じゃぁ~日曜日の昼過ぎに行くことにするよ。お天気もよさそうだし、お婆ちゃんも呼んでお庭でコーヒーなんてしてもいいよね。お婆ちゃんも行く道中、拾って一緒に行こうかなぁ~。お婆ちゃんにもしばらく会ってないし・・・

そうして、そうして!そら、お婆ちゃん喜ぶわぁ~!!じゃあ、日曜日のおやつの時間に待ってるね!じゃあ日曜日にねぇ~。

こんな会話を勝手にクリママとしたのだが、あれ?クリ子はよかったんだっけ??まぁ~いいや。どうせ日曜日はなんにも入ってなかっただろうし・・・

ってな訳で昨日は久しぶりにクリ子の実家に行ってきました。行ってみるとびっくり。私達が来るということを知って、クレムス(ウィーンから1時間ほどのところ)から義妹夫婦もやって来るというから嬉しい話だ。

お父さんは今日もまた、子供達がやってくると、昼過ぎから手作りのクリームチーズとレーズン入りのパイを焼いてくれた。パイの生地もお父さんの手作り。感謝感激です、ファッティー!!

一ヶ月ほど前にダンスを教えている時にで転んで、腕の骨を折ったお母さん。(ちなみにクリママはダンスの先生) この一ヶ月、ギブス生活が続いている。手が日によって浮腫むらしく、この日はパンパンに手が腫れて、辛そうだった。

ってことは全部これ、お父さんが用意してくれたんですか??持つ者はマメで優しいパートナーだね!なんてね。その分、お母さんもお父さんによくしてあげてるんだもんね。夫婦は協力第一だもんね。

この日はお婆ちゃんはとっても元気そうで、ピンクのTシャツがすごく似合ってる。これからもお婆ちゃんをちょくちょく誘わなくちゃ。やっぱりとっても嬉しそうだもん。お婆ちゃん、今度は旅から帰ってきたらね!その時また会いにいくね!そしてムッティーもファッティーもね!それまで待っててね~!!

夏メニュー

金曜日まで気温が34度あったウィーン。クーラーというものがほとんど存在しないウィーンでは暑くて、もういや~ってなってしまうのだが、そうかと思えば、次の日、土曜日には日中でも13度までしか上がらない。おてんとさんの気性がこの最近激しいらしい。

雷と共に激しい雨が一日降り続いた昨日は、ちょっとこの一週間、気が滅入っていたのもあって、美味しいものでも食べて、それを吹き飛ばしちゃえ!と言う訳で、7月から夏メニューになったという、いつも私達のお気に入りのレストランへ食事に行ってきた。

まずは食前酒。シャンパンをアンズシロップで割ったもの。

さあ~いよいよ始まるよ~本日のコースメニュー。まずはなんだろう~?今日の朝、ポルチーニ茸の新鮮なのが入ったようで、メニューには載っていなかったが、急遽、この一品もシェフのお心遣いで出して頂いた。ポルチーニ茸のフライとジャガイモの酢漬け。(忘れちゃいけないのが、ここはオーストリア料理のお店。なのでオーストリア料理の基本を大切にしながら、そこにシェフの細やかな細工が入ってくるのだ)

そして前菜3種。左からバジリコのクリームチーズ和え、緑のトマトのマリネ、牛タン。

この日は寒かったこともあり、ズッキーニのクリーム仕立てスープ。

とお口直しにマカロニをさっぱりワインビネガーと香草で仕上げたサラダ。

すべて今日のお食事に合わせて、一つ一つのお料理に合うワインを頂くことができる。これがここのレストランのもう一つ楽しませてくださるところ。まだまだ知らないワインがいっぱいなので、ここで自分好みのワインに出会えるととても嬉しい。

さぁ~今からがお魚料理。左から、マスの燻製とキュウリのマスタードマリネ、サケの天ぷら。

このお店も4回目になるのだが、大体最後のお料理が出終わるまで3時間にかけてコースメニューを楽しむようになっていて、ちょっとお腹がいっぱいになってくるころを見計らって、そこからはゆったりとしたテンポで出てくる。そうかと思えば、まだまだお腹が満たされていないお客さんにはテンポよくお料理が出てくるから、ちゃんとお客さんの食べるペースを考えてくださっているのだろう。ここまで行き届いたサービスはオーストリアでは珍しい。

いよいよ、お肉料理が登場。まずはラム肉の赤カブと西洋ワサビ添え。これが美味しかった~。個人的に私はラム肉がそれほど好きでない。それなのにこの臭みのない柔らかいお肉に赤カブと西洋ワサビのピリっとくる辛さがなんともいえないハーモニー。こういう組み合わせもアリなんだ!と今日の一番の発見。

それともう一品。牛のステーキ、キノコソースとクスクスがけ。

もうお腹がパンパン!もう駄目だ!って頃にデザートが。だけどこれがお腹に簡単に入っちゃうから不思議だ。左からマカデミアンナッツのアイス、チョコムース、ベリーを使ったスポンジケーキ。

今回も大満足いくお食事でした。最後にお店の方から、デザートワインまでサービスして頂いて、なんとも幸せな気分。もう一回ぐらい夏の間に来たいなぁ~。

片道5時間のいた~い週末

修理に出したバイク屋さんで、”こんないいバイク、ほとんど乗らず、ガレージに置きっぱなしだったなんて信じられへん~!!”と言われた言葉がショックだったのか、クリ子は修理から戻ってきたバイクを走らせてみたくて仕方なかったようだ。

車のようにカーナビのようなものを付けては行けないので、この日は家を出る前に地図とにらめっこをし、頭にすべての道を入れ、分岐点をすべて箇条書きにし、印刷までしての念のいれよう・・・

さぁ~出発だ!って彼の勢いに押されて家を出たはいいんだけど、出発して1時間もしないころから私のお尻は痛み出す・・・姫!まだ、ここは山にも入ってませんゼ!(イコール=本格的なツーリングがはじまってない!)

後部座席からこの箇条書きにされた場所や分岐点を、カーナビのように次はここを右に曲がって・・・この標識がでてきたら、左に曲がってと彼を誘導していくが、2時間経とうが3時間経とうが、まだまだ目的地には着かない。今回の目的地はこちら。高速に乗っていってもウィーンから3時間かかるところ。

クリ子~お尻が痛い・・・

お尻が痛けりゃ、姿勢をちょっと変えればいいやん!

そんなんとっくの前からしてる!っていうか、それよりいつになったら目的地に着くん??まだまだ先長そうやのに、雲行きが怪しいくなってきてるんやけど・・・その上、私寒い・・・

あれ?確かに寒いし、お尻痛いなぁ・・・・・・・・(ってこの後、クリ子は無言・・・)

ひたすら走る・・走る・・・・走る・・・

お尻は痛いし、寒いし、その上段々、太ももの内側も振動で擦れて痛くなってきた。もうクリ子限界・・休憩させて!お昼ご飯にしよう~!!

って食べたのはやぱり田舎料理。まずは寒さに凍えながら、ガーリックのクリームスープ。

そしてポルチーニ茸のフライ、タルタルソース添え。

それと、ポルチーニ茸のクリームソースとお団子。

これで気分を変えろ!と言われても、こんなのでお尻の痛みが消えるとは思えぬ!じゃあ、消毒にと生ビールの大を頼んでくれ~僕は飲めないけど、ここは大盤振るで何杯でもいってくれ!と言われようと・・・・

ってヤケクソで飲んだんだけどね!でもこの先の道のりを考えると、憂鬱になるのは私だけ??

結局、この後、バイクを走らせ目的地に着いた時にゃ~夕方の5時。1時間の昼食休憩をいれ、合計片道6時間・・・クリ子~トホホだよ~。私の今日のイメージは湖で足をピチャピチャして 景色を見ながら寝て、その後はおいしいレストランで夕日を見ながら食事を摂ることだったのに・・・

それなのに・・・それなのに・・・・・

雲行きは怪しいし、寒いし、それにもうほとんど誰もここにいないし・・・今更、ここで何すんの~??

結局、ここで1時間ほど湖畔を歩き、休憩をしたら、今度はウィーンに向けて出発。これは何かの訓練か?試練か、クリ子~教えてくれ~!!

帰りは私がもうあの道を帰るのだけは嫌だと言った為、(というか、この調子だと家に着くのは夜中になりそうだった)、帰りは高速道路を使って帰ってきたのだが、これまた大変!

バイクで高速を130キロなんかで走ったことなかったからわからなかったけれど、何が大変って前からくる風力に体が飛ばされそうになるのを、クリ子にしがみつきというか食らいつき、耐えて、何より何がしんどいって、首!!首が風力に負けないように支えなくちゃいけなくって、首の筋肉が痛くなって筋肉痛になりそうなのだ。自分は運転してもいないのに、これはまさにスポーツ。

結局帰りは行きの半分の時間でウィーンに辿りついたのだが、果たして、高速を130で飛ばす方がましか、それとも山道をくねくね5時間かけて走るかどちらがいいかと聞かれたら、クリ子さん、どちらも勘弁です!