惨事の後は・・・

ブーツ破裂事件の後、これじゃ間に合わないと思い、急遽、車で会場まで向かった私達。(本当は後のディナーのことも考えて、公共の交通手段で行きたかった人達)のろのろ運転の車に文句を言い(って車の中で相手に聞こえないようにかなりなじる。いい子はこういうことはしないように!)タイミングを計って追い越して、猛スピードで会場に向かった、なんともドタバタ劇をしてしまった私達。

だけど無事、演奏会の開演にも間に合い、演奏会を満喫し、ブーツ事件もどこえやら、ゆったりとした時間を過ごした。今回の演奏会はリチャートギアーおじさん(クリ子の叔父)にご招待頂いたもので、ピアニスト、ネルソン フレイレのソロコンサートを聴きに行ってきたのだ。演奏会の感想はあえてここでの発言は避けさせてもらうが、個人的にはちょっと物足りないものだった。それはクリ子も同感で、クリ子は彼が演奏するロマン派の演奏に期待していたらしいのだが、それががっかりするものだったと残念がっていた。でも私がまだ生で聴いたことがなかったピアニストの演奏を聴けてとても収穫になった。リチャートおじさんありがとう~!!

演奏会の後、あまりお腹が空いていなかった私達はどこかで軽く、ワインとおつまみをつまむつもりでいたのだが、車でここまできてしまったので街で食べるのは諦めた。(だって車だと駐車場のことや、お酒のことが気になるので)

家の近くでちょっとお洒落なバーがあるのでそこに行くことにしたのだが、甘かった。夜の10時も過ぎれば、お客も少ないかと思いきや、バレンタインディーはどうも勝手が違うようだ。バーレストランに入ると中は落ち着いたカップルばかり。テーブルには彼からもらったと思われる花束と一緒にさ!

ここは諦めて、車が止めやすくって家から近い別のレストランへ。このレストランはどちらかというとアメリカナイズされたお店。そうこういうお店、クリ子が好きなのよ~。カルフォルニアに何年か仕事で住んでたこともあるせいか、こういう庶民的なジャンキーなお店にたまに行きたくなるらしく、今回も彼の希望でここに。

まずは食前酒、ベリーニで乾杯。週末に乾杯、そして素敵な夜に乾杯、そしてバレンタインに乾杯、そしてこれからもどうかよろしくお願いします・・・・

そして食前酒の後は、私はお腹がほとんど空いていなかったので、有頭エビのカレー風味スープ。

それに合わせて軽めの白ワイン。

そしてクリ子はクラブサンドイッチ。中に入っているのはチキンではなく、ローストビーフ。(これチキンかローストビーフ選べるらしい)そしてこれまたいっぱいのポテトフライ。かなりのボリュームだ。

彼もそれに合わせて白ワインを・・・

本当はコースでお料理を頼みたかったのだが、そんなお腹はどこにも残ってなく、バレンタインの晩にしては質素なスナック感覚のディナーになってしまったが、こんな自分達の体調や雰囲気に合わせて、気を緩めた楽な食事ができるのも夫婦のいいところかな?

食後はカクテルを一杯。本当は違うカクテルを頼んでいたのだが、お店の人が聞き間違えてこれがやってきた。クリ子は好みのカクテルだったが、私には合わず。結局、家に帰って一人で飲みなおしたのでありました。

今年もクリ子とこうやって夫婦で惨事ありのオリジナリティー溢れた私達らしいバレンタインディーを過ごせることがちょっとしたことなんだけどとっても幸せに感じる・・・そういうことを改めて感じさせてくれる一晩でした。

ロマンティックな晩の始まりなはずが・・・

バレンタインデーだった昨日、皆さんはいかがお過ごしになったでしょうか?

私達はというと、昨日は用事が立て込んでいて、バタバタの一日でしたが、それでも夜は二人でコンサートに行って、その後、お食事っていう計画を立ててたんです。それが・・・

ことの始まりは一日色んなところを歩き続けたことだった。昼過ぎまで外で仕事があった私は、クリ子と街で待ち合わせをし、街で昼食を取った。そしてその後、クリ子が燕尾服が欲しいというので、燕尾服専門店に行った。生まれて初めて燕尾服とタキシードの違いを教えてもらい、フムフム頷く私。ここまでは順調で余裕の私。

その後も少し街を歩き・・・そして帰宅。その後、演奏会の身支度をし、久しぶりの演奏会だし・・・それにバレンタインやし・・・ちょっとお洒落をしようかな?と思いまして・・買ったばかりの膝丈のエレガントなベロアのスカートに濃い目のグレーのベロアの細身ジャケット、そして華やかなアクセサリーをつけ、ハンドバックまで格好に合わせて選んで、あえてもっと言わせて頂ければ、滅多にしないのに目までクリンクリンにして・・・・・

さぁ~そろそろ出かけようと言うその時。この日の晩は風がきつかったこともあり、クリ子にクリスマスプレゼントにもらった細身のブーツを履いた。

もうこれでばっちり・・後はコートを着て出かけるだけって時に足元でビリビリと音がした。まさか!!そこには目を疑うような光景が・・”クリ子~大事件!!大事件!!助けて~!!”(その間もまたもやバリバリ、ビリビリと音がし、足元に寒い風が!)

トイレに行っていたクリ子は”なに~・・・また~???”とうんざりとした声でトイレから出てきた。

“クリ子~これ見て~!!” 

“うわぁ~こりゃ、終わってる!!”と目を疑われてしまったその実態とは・・

もともと足が太いのに、細身のロングブーツに憧れて、足が細く見える皮のロングブーツを買ってもらったのが悪かった。本来ならギリギリセーフでブーツの中に収まる私の憎い足の贅肉ちゃんが、その日は日中歩きまわってたこともあり、右足が浮腫んでいた。

だけど無理やり、それでもブーツを履き・・・・

そう、ブーツが私の足の太さに耐え切れなくなって、チャックの部分が裂けてしまったのだ。チャックの金具はちゃんと締め切った上の部分に残り、その金具の下から裂けだしたのだ。

こうなったらどうすることもできない・・・”クリ子~どうしたらいいの??これじゃ演奏会、間に合わへん~!!”

ここからは見るも無残!!”今すぐソファーに寝転がって足をあげろ~!!”と言われ、折角のお洒落など何処へやら、スカートめくれまくりの、ついでに言えばパンツ丸見えの格好で足を上げて、ひたすら下に下がった血を上の方に戻す。その間もクリ子は一生懸命、ブーツのチャックとチャックの部分を近づけ、チャックを下ろそうとする。

“クリ子~そんなにやったら肉が痛い~!!肉が~!!痛い~!!”

“そんなこと言ってる暇があったらちょっとでも足を細くせい~!この皮と皮をできるだけ、近づけろ!その間に僕がチャックを下ろすから!!”

半分泣きながら、チャックを下ろしたのは言う間でもない。最後は下までチャックは下がったが、パンストは破れ、足には痣ができ、それでもパンストを履き替えている時間がないので、そのままパンストの裂けたのが隠れる、毎日履いている、履き潰したようなロングブーツを履いて、コンサートに行く羽目になったのでした。(つづく・・・)

調律

先日、久しぶりにピアノの調律を頼んだ。いつも調律をお願いしなくては・・と思いながら、なかなか時間が取れず先延ばしになっていたのだ。今回、調律をお願いしたのは、こちらで活躍されている日本人の方。

今までは、こっちの調律師さんに頼んでいたのだが、もう一つ、調律に対し、技術と熱意がないというか、とりあえずやってます・・みたいな姿勢がとても嫌だった。そしてこの最近増えている、機械に合わせて調律するあのやり方。それだったら、私だってできるんと違うん?なんて思ってしまいそうなほど、機械に頼った調律がこっちでも多い。ただただ、機械で合わせただけの調律では、音の響きやバランスがよくない。いつも調律してもらった後のピアノを弾きながら、なんか腑に落ちなかった。

それが今回、こんな丁寧な仕事は久しぶりに見ましたって懐かしくもあり、またその出来に感動したのだ。前から評判のよかったこの日本人調律師さん。何より仕事が丁寧。あの、ピアノ、そして音への追求は仕事ぶりを見させて頂いて、かなりの信頼をよせられるものだった。

久しぶりに調律されたピアノに満足すると共に、なんだかとっても嬉しかった。外国に住んだり、外国と貿易をしたりする人は、何かと外国と日本とを比較する癖がある。私もついつい、比較してしまう。だけどよく考えると、日本人であっても人それぞれ全然考え方も生き方も違う訳だから、日本という国を、そして日本人をひとまとめにして言うのは豪語同断だし、それは外国のそれぞれの諸国においてもそうだ。だけどそのことをわかっていながら、外国の人は私達、日本人を一まとめにして一般論をいうし、私達、日本人もまたよその国の人達を一まとめにしてモノを言う。

そういうことが概念にありながらも言わせて頂きたい。日本人は仕事が丁寧だということを!そりゃ、人それぞれだよ。雑な人もいるだろうし、不器用な人もいるだろう・・だけど統計にしてみるとやっぱり日本人の仕事は丁寧だ。それは誇りに持っていいと思う。

調律をしてもらったことで、ピアノをいい状態に持っていくことができたし、そして調律師さんの仕事ぶりを見てなんか同じ日本人としてすごく嬉しかった。

今の我が家の情況では、ピアノには50パーセントの湿度が必要らしい。いつも45パーセントを維持することに頑張ってきたけれど、絶えず50パーセントの湿度を保つというのはなかなか大変。この最近、湿度50パーセントにかなり敏感、そして維持を。