ウィーンでお節料理

先日、友人宅で行われた新年会にご招待して頂いた。う~ん、新年会って響きがなんだかなつかし~いなんて思いながら軽い気持ちで行ったらビックリ。

そこにはお正月、日本に帰れなかった私達の為に、お節料理が用意してあった。またその内容が素晴らしい。日本で食べるお節料理の内容、ほぼ再現されていたのだ。

ごまめに数の子、なます、お煮しめ、昆布巻き、出汁巻き・・・なかったのはきんとんだけだった。後はすべて日本食材店や日本から持ってこられた食材で丸2日かけてこの日の為に作ってくださったのだ。

生憎、お料理の写真は他のゲストの方の妨げになると思ったので、撮らなかったのだが、関東の方では飾るというお米や塩、昆布などをこっちであるもので柔軟にアレンジして今年一年を願ったものまでちゃんと用意されていた。

この日の流れは、まず結び昆布と梅干が入ったお茶、(これなんて言うんだっけ?使わないとどんどん忘れていく言葉の一つ・・・言われるとすぐ思い出せるのに、自分の口からはもうなかなか思い出せないそんな悲しい現実・・)と軽い和菓子から始まり、

御とそ・・皆で新年のご挨拶をし、日本酒を頂く。お料理が運ばれてくるまでに、ちょっとしたお酒のあてにと、塩辛とたこわさや、手作りおぼろ豆腐が一口ずつ用意してあるのがなんとも憎い演出だ。

そしてその後がお重に入ったお節。もうこれが感動もの。だってどれもちゃんと時間をかけてお出汁からとって、丁寧に作ってあるのがわかる数々。そしてこっちでも食べても日本で食べるお節に劣らない食材がもつ美味しさを感じることができるぐらい、食材を殺さず、ちゃんと生かしたお料理になっているのだ。

これ、日本で食べる時よりお節の喜びと美味しさを堪能できるかも。こういう味に飢えているのもあるけれど、日本料理というのはそれぞれの食材のもつ個性を尊重して、それを生かした調理法をしているんだ、ということをひしひしと感じられた時。

その後も関東風お雑煮を頂き、〆に白玉とあんこのデザートまで頂き、本当にここまで手間ひまかけて一人で用意してくださったお友達にありがとう~!!の感謝とお礼の気持ちしか表現できないぐらい本当に嬉しいサプライズだった。

こんな素敵なお友達をウィーンで持てたことに心から感謝すると共に、これらすべてのお料理に込められた彼女の気持ちというものをちゃんと私自身の心で噛み砕いて、自分なりに今年一年を色んな意味でちゃんと見つめていかなくてはいけない・・・と痛感した一日だった。