2週間ほど前に久しぶりにピアノの演奏会が聞きたくなり、楽友協会に行ってきた。今回聴いたのは、姉が一度彼の演奏聴きに行ってきて~っと言っていたラルス・フォークト(Lars Vogt) とウィーン交響楽団でブラームスのピアノ協奏曲第一番とブルックナーの交響曲第3番。
音楽を専門にしてるからこそ、ブログではあまり演奏会の感想や批評をできるだけ取り上げないようにしてるのですが、今回は姉が聴きに行ってくれ!という注文が入っていたので、ちょいと感想を。
ラルス・フォークトの演奏を聴くのは今回が初めてなのですが、彼なりの音楽解釈っていうものがしっかりしてることがかなり分かる演奏でした。ただ私達が座ってた場所がよくなかったのか、それとも彼の調子がよくなかったのか、音が響いてこない。音に輝きがないというか、音が伸びてこない。だから旋律が綺麗に聴こえてこない。
あと気になったのが、この協奏曲私自身、何度も聴いて知ってるのですが、彼の演奏がどうも聴いていてしっくりこないのです。はじめはなんでかなぁ・・・こんな曲だったかな??と首をかしげてのですが、聴いているうちに分かったことが。フレーズの終わりが全部尻切れトンボみたいに聴こえてくるのです。はしょるわけでもないのですが、フレーズの終わりが全部飛んでしまう。だから一緒にフレーズを頭で歌いながら聴いていると、とっても気持ちが悪い。この曲は リーズ国際ピアノ・コンクールで彼の演奏を大絶賛したサイモン・ラトルと競演していたりして、彼にとっても何度と弾いてきた曲だろうに、何故にこう聴こえてくるのか?
オケはちゃんと音がのび、最後までフレーズを聴いているというのに、何故私にはこうも気持ち悪く聴こえるのか?私の聴いている場所がやはりピアノが響いてこない場所なのか?なんても考えたけれど、彼が弾き終わった後の拍手もかなり少なかったように思う。ってことは私だけがそう感じたのではきっとないのだろう・・・。
あまりにも拍手が少なかったので、この日のアンコールはブラームスのワルツを一曲弾いただけなのだが、これもいまひとつリズムがのってこなし、音が響かない。どうした??ラルス・フォークス!!絶対彼はこんな力じゃないはずだ。だけどこの日はこのアンコールもまばらな拍手で終わっていった・・・。
それに比べてこの日のウィーン交響楽団の演奏はよかった。この日の指揮はマルク・アルプレヒト(Marc Albrecht) だったのだが、音がぐんぐんのびて鳴ってくる。そしてとても音楽的で、ブルックナーは、彼らの演奏に吸い込まれた、久しぶりにウィーン交響楽団を見直した日でした。
それにしてもラルス・フォークス、この日の演奏がかなり残念だったので、是非また改めて彼の演奏を聴きに行きたい。