美しい季節

オーストリアはこの時期、一年のうちで最高の時期を迎えている。長い冬が終わり、3月半ば頃から、ゆっくりと木々が春の準備を始め、激しく天候が変わり気温の寒暖さが大きい4月を乗り越えれば、そこには木々の生命力が溢れている。

新芽が土の中から、そして木々からゆっくりと顔を出し始め、日に日に森や山、野原が新緑の色で包まれる。

今の時期、どこへ行っても美しい自然の光景を見ることができる。色んな春の野花が花を咲かせ、田舎の方を車で走っていると、西洋梨の花や、杏の花が満開に咲き、本当に美しい。

今回、旅を一緒したK女史がボソっとドライブ中、一人ごとを言っていたのを今でも覚えている。

“見るもの、見るものがすべて目のムゼウム(美術館)やなぁ・・・”

彼女が言いたいのは目に入ってくるものが次から次へと美術館にいる時のように、自然が美しいと言いたかったんだろう・・と勝手に想像してるのだが、ボソっと小さい声で誰に喋るでもなく、言っていたその言葉が、私は好きだった。

生憎、この2日ほどお天気が崩れ、ただいまオーストリアは雨ばかり。それどころか明日は日中、ウィーンでも気温が8度ぐらいまでしか上がらないらしい。

こんな寒い日もまだまだちょこちょこやってくるけれど、それでもオーストリアは今が、そして今からが最高の時期です。是非、この時期に一度オーストリアを皆さん、訪ねてみてください!

ザンクト・ギルゲン

ザルツカンマーグート巡りをして必ず私達が寄る場所の一つがザンクト・ギルゲン。ハルシュタット同様、とっても小さい街なんだけど温かみがあって情緒溢れる街でなんだか癒される街。

基本的に大きな街よりも昔ながらの温かみのある小さい街が好きな私達は、前日のハルシュタットでの宿泊に続き、ここで一夜を明かしました。

着いた当日は、お天気が悪く雨が降っていたけれど、翌日チェックアウトするころには青空も見えてきた。何回も来てるところだから、改めて新しい発見というのはなかったけれど、それでもちょこっと湖を、そして街を回りたくなる気持ちにさせてくれる何かがここにはある。

5月にオーストリアに来ると田舎の方ではこんな木をよく見かける。これMaibaumという直訳すると5月の木という本当の生の木。

ザルツカンマーグートに点在する街は本当に可愛らしい。これ、実はこの街の市庁舎。

そしてその市庁舎の前にはモーツァルト像が建っている。この街はモーツアルトのお母さんが生まれたところでもあります。

そしてこれがこの街の映画館だというからビックリ。こんな街に住んでたら、イライラすることもなく毎日をゆったりとした気持ちで過ごせるのかなぁ・・・。それとも物足りないなんて思ってしまうのかなぁ??

オーストリアの田舎料理

オーストリアの田舎の方に行ったら、美味しいものが沢山食べられる。綺麗な空気と景色を見ながら食べる料理が美味しくないわけがない。

洒落た料理よりこういういかにも!って言うオーストリアの飾らない昔からある料理が食べたくなるのも、山に上ってきたからこそ。

まずはビールで乾杯!山の上で飲むビールは最高さ!

ビールが美味しいと言いながら、でも山の上はちょいと寒かったので、スープを。この日のスープはポロネギとも言われるリーキのスープ。体が温まる一品。

そして山小屋でもちょいと保存がきくこういう料理が山の上では多いよね!豚をオーブンでじっくり焼いた一皿。これを西洋ワサビやマスタード、パンで食べるのがオーストリアでは一般的。

山の下に見える湖で獲れたという魚料理。味は鯉に似たもの。ちょいと泥臭さがあったかな?だけどきっとこの魚はこういうもんなんだろうね。ここにかかっていたワインソースがいい仕事をしてくれてた一品。付け合せはもちろんじゃがいも!

そしてさむ~い山では最後はこれでしょ~?!ゲルムクヌーデル!肉まんのような生地の中にプラムソースが入ったもの。これに溶かしバター、けしのみと粉砂糖が混ざったものをたっぷりかけて食べるのさ!とっても素朴なデザートなんだけど、これがまた美味しい!

繊細な洒落たお料理も美味しいけれど、たまにはこういう豪快な料理もいいよね!