長い長い地下の洞穴の通路を歩いていったその後に出会ったものは・・・それは地下の世界に広がる湖。
この湖は自然に出来たものでない。昔オーストリア人がギブス(骨を折った時に固定する為に使うアレ)を求めてここを掘った。その昔、オーストリアの農家ではギブスに含まれる飼料を水薄めて田畑に撒いていた。土を肥やす為、ギブスが必要だった訳だ。(日本人の発想からギブスを想像するとなかなか土壌を肥やす飼料になるとは想像がつかないが・・・)
そんな訳でオーストリア人は来る日も来る日もここを掘ってギブスの採掘した。年月をかけて広範囲にあたって岩石を掘っていくうちにある時、水が湧き出た。水が湧き出てきては仕事が出来ぬとその後、ここはギブスを採取するにあたって立ち入り禁止となった。
そして年月と共に、ある人物がここにフラ~と入っていってみるとギブス採掘の為に彫られた穴に水が貯まっているではないか!その人物はその地下の湖の素晴らしさをどうにか人々に伝えられないだろうか?と考え、この地が人々に公開されることになったのだ。(これらは当時使われていた灯りや道具。160年前の地下道を掘るにはロウソクの火しかなかった。そこを毎日すごい人数の労働者と馬がせっせと暗闇の中仕事をしたのである)
ここは言わば人によってその時代の人々が生活する為に必要な物を求めて人口的に掘られ、その後時間ともに自然によってもたらされた人間と自然との融合によって出来上がった結晶なのである。
こんなものがウィーンの郊外にあったとはね、知らなかった。地下鉄の広告を何気なくみて行ってみたくなった所、クリ子に聞けばオーストリアの学校に行っていれば小学校に行っている間に野外活動として必ずいくところらしい。だけど外国人の私にとってみるとガイドブックに載せるほど有名じゃないけれど、だけどこれはオーストリアの歴史上、かなり興味のある場所で私にとっては発見だった。