成長するパン

相も変わらず毎週末、パンを焼いている健気なクリ子。酵母菌がまたパンを焼いてくれ~と言ってるそうです。(そんな対話が酵母菌とできる奴は、やっぱり夢の世界に生きる我が家の姫、クリ子だから?)

そんなわけで毎週、色んなパンを焼いてくれてます。大抵、土曜日の晩にパンを焼くクリ子。パンを作ったら何故か張り切るクリ子は日曜日の朝、ブランチのお誘いをしてきます。半熟のゆで卵と、ベーコン、ある時はチーズ、そして生野菜・・・それにオレンジジュースいらんかねぇ~・・・全部用意してくれるのなら、なんでも頂きますとも!!って訳で我が家の日曜日の朝食はクリ子が焼いたパンに彼の張り切り度満点の付随品がいっぱい食卓に並びます。

確かに彼の作るパンはこの最近、かなり美味しくなってきてます。表面がカリットしていて中が何日経ってもフワフワ。クリ子よ、一つ注文をつけるとしたら、この中に一度餡子を入れてくれんかのぉ~。アンパンが食べたいんだがなぁ・・・。他にも鶯パンなんてどうだい??なんてことを言ってるのですが、聞き入れてはもらえず、変化球パンはまたお目見えしないのであります。

彼の今の悩みは日本に行っている間に酵母菌が死んでしまわないか?らしい。じゃあ、日本に持って行ってしまえ!!日本で”クリ子の不思議な国のパン屋さん”を開いてしまえ!!って訳で、もしかすると彼が愛してやまない酵母菌が日本にやってくるかもしれません。我が家の者よ、覚悟を!!

何が正しくて、何が正しくないのか?

今回、イースター休暇を日本で過ごそうと予定していた私達。何ヶ月前から飛行機のチケットを予約し、この日を楽しみしていた。そんなある日、突然日本に信じられないほどの惨事が起こった。

それ以来、みんなが悩んでいる。何が今の日本にとっていいことなのか?それは人それぞれだと思う。私自身、今でも正直悩んでいる。日本に飛ぶべきか?飛ばないべきか?何故ならば、こちらに住む人達は今だ、日本行きに否定的だから・・・。その度に心が乱れる。

でも私の気持ちとしては、こんな時だからこそ日本の素晴らしさ、日本は大丈夫だ!ということを自分の目で確かめたい。こちらの人が心配するのがやはり原発の問題。個人的な意見は色々とあるけれど、ここでは述べるべきではないと思うので差し控えさせて頂きますが、私はもともと計画していたものを、日本に帰ることが今の社会にとって迷惑にあたらないのであれば、帰らせてほしい。

誤解を招きたくないので、これだけは言わせて頂きますが、こちらに住むオーストリア人は日本の復興に心から応援しています。そして放射線に関してもそんなに悲観的ではない。ただこちらに住む同じ日本で育った同国の人から、日本行きをストップさせられるのは、とても心が動揺する。私を心配してくれるが為に言ってくれる助言。だけど今の私にとってはこれによって心がドンっと突き落とされる。

だけど私は決めたのさ。何がよくって何が悪いのかは、今の状況では結論は出せない。でも私は、こっちに住んでるからそんなことで悩んでいられるのであって、私の家族も友達も私の大切な人が住んでる日本でみんな、前向きに生活していこうと心がけてるのさ。そんな家族を、友達を、そして日本に私は背を向けることはできない。

何ヶ月前からも予約していた飛行機のチケットが今回の件で欠航になった場合、クリ子は今回の日本行きは諦めようと言っていた。でも実際、昨日欠航が決まった時、彼は私に何も言わず、違う航空会社のチケットを二人分手配してくれた。日本行きをやめるのでもなく、私だけを日本に飛ばすのでもなく、彼は当たり前のように私達二人分を手配してくれた。彼の何も言わないけれど込められた気持ちに感謝をすると共に、二人で日本の元気になろうとする姿、日本の素晴らしさをこの目で確かめたい。

私達二人にできること、それはいつも通りに生活して、日本に帰って日本の姿をこの目で見て、日本のいろんなものを満喫すること。クリ子にいっぱい日本のいいところを見せてあげなきゃ!日本の復興への道のりは長いかもしれないけれど、私はず~っとここで、日本は強いよ~大丈夫だよ~。いい国だよ~ってことを発信していきたい。

今日の記事が個人的なものに申し訳ございません・・・・(っていつもって??)

皇帝も食べた?

Badenに足を延ばした日、お腹が空いたのでこの街で食事をして帰ることにした私達。お腹の空き具合が頂点だったので、レストランを吟味して選ぶ余裕もなく、何軒か見て回ったあと入ったオーストリア料理屋さん。ここにはフランツヨーゼフやシッシィーの写真がいっぱい飾ってあり、当時の景色や街並みが写真をみて感じとれます。

何故、私がここを選んだか??って??だってお店の前に書いてあった看板に、間違ったエスカルゴ!という料理名に惹かれたから。間違ったエスカルゴってことはエスカルゴは出てこないにしても、それに似たようなものがエスカルゴを調理するときみたいにオリーブ油とニンニクのソースの中に浸かったオーブン焼きが出てくるのかな・・・・なんて想像してたら、出てきた料理はこれ。イメージと違いすぎる。これはただの鶏胸肉のチーズオーブン焼きじゃないか!

あまりのショックにビールでも飲んで気を落ち着かせることにします・・・。

そしてもう一品が、フランツヨーゼフ皇帝がいた頃の当時のシュニッツェルとも、ここのお店の看板料理とも解釈できる”Damals Schnitzel|”。豚のヒレ肉にハム、トマト、そしてチーズをのせて焼いたもの。これはなかなかのボリュームで食べ応えもあって合格。

やっぱりオーストリア料理を食べにいくなら典型的な伝統料理を食べるべきと反省した私。この2,3年ほどたまに食べたくなるがっつりオーストリア料理。でもこんな私も一番落ち着くのは千切りやひじきの炊いたもの。ってわけでただいまひじきと千切りを炊いております・・・。