ささやかな至福の時間

建国記念日で今日は祝日だったオーストリア。それなのに朝から仕事へ。別に仕事はいいんですがね、朝起きた時に外が真っ暗なのが気持ちを憂鬱にさせます。でもそれも今週末には冬時間に時計がリセットされるので、朝起きるのもそんなに苦にならなくなるかも?!

すっかり秋が定着してしまったこの最近のウィーン。毎日、外はどんより。朝晩は霧がかかり、なんとも寒々しいです。日中の気温も10度上がるか上がらないかってとこなんで、これからは冷え対策が必要になってきます。でもこの時期、私には好きな匂いがあります。

それは朝や晩に部屋の窓を開けると暖炉や煙突の匂いがしてくること。街の中心街ではそういう匂いはなかなか感じられませんが、ちょっと郊外近くまで行くと、煙突から火が炊かれてる匂いがしてくるんです。その匂いを嗅ぐとなんだかホッとする自分がここにいます。

ウィーンにはいっぱい今の時代をいく先端のものがありますが、そんな中で朝、仕事へ、学校へと行こうと急いでいるものを阻むもの、ウィーンの伝統の馬車がご出勤で優雅に車道を走り、時には気まぐれて糞をしてくれることも・・・。だけどみんなそれにイライラすることもなく、じっと馬車の後ろをゆっくりと走る車やバス。煙突の匂いであったり馬車に行く手を阻まれてもみんなゆったりとしてるところ、私はそういうウィーンの街が好きです。

仕事帰りに、霧のかかった道を歩きながら、煙突の匂いと落ち葉を見ながら歩いてると、腑とマローニ(栗)が食べたくなってくる。帰りの道中で焼き栗を買って、それを食べながらゆっくりと教会の鐘の音を聞きながら帰ってくる。私にとっては一人の至福の時間です。