皆さんは私がオーストリアに住む事に関しては、きっとオーストリア人と結婚したのだからなんの問題もないだろうとお思いでしょう。いえいえそんなことはないのです。私達外国人がオーストリアに住むに当たって、どんなけオーストリア人と結婚していようが一生滞在ビザを取りつづけなくてはいけないのです。何故ならば私は日本人だから。もし日本の国籍を捨てて、オーストリア国籍をとればその必要はないのだが、日本人である私は日本の法律に従って色々な手続きをしなくてはいけない。日本の法律では2重国籍は許されていない。
結婚する時にオーストリア国籍か日本国籍どっちを取るか決断に迫られた時、私は即座に日本国籍を選んだ。その理由は私がオーストリア国籍を取ったとしても私はオーストリアという国からみれば外国人には変りはない。そして日本とオーストリアの血を継いだ子供ができてもその子はオーストリア国籍しか持てないことになる。(二つの国籍から産まれたハーフの子供は、普通20歳までは2つの国籍を持つことができる。そして20歳になった時、子供がどっちの国籍を取るか自分で決めるのだ)そして私がもし日本に行ったら外国人として入国しなくてはいけない。そして何か緊急事態(両親が病気になって看病しなくてはいけないとか、諸々・・)が起こって3ヶ月以上、日本に滞在したいと思った場合は日本に滞在する為の滞在ビザが必要となる。そんなことを考え、私は日本人として誇りを持っているし、私がこのオーストリアで生きていっても日本人には変りはないのだから日本国籍を選んだ。
っということはどういうことかと言うと、私はオーストリア人と結婚していながら毎年、オーストリアに住むに当たっての滞在ビザの申請をしなくてはいけないということだ。移民局みたいなところに行き、粗雑な扱いをされ一年間のビザをお金を払ってもらう。きっと来年か再来年には5年のビザが出るので(その時まで今までの法律が変わっていなければ・・)そしたら滞在ビザの更新は5年後で良いことになるのだが私がこの国に住む限り死ぬまでこの作業をしなくてはいけない。
それを覚悟の上で結婚したのだからそれはいい。だけどやっぱりビザを取りに行くのは正直疲れる。朝の8時前から移民局みたいなところに並び、窓口があくのを待つ。開いたと思ったらとりあえず皆座れと言われる。そしてこの日の為に揃えてきた書類を係りの人に渡す。ここで大きな態度に出てはいけない。ここはお役所なのだから・・とりあえず腰を低く、お願いします・・とお願いする。そして人相の悪いお役所の人がその書類に軽く目を通し、これこれが足らない!これを用意してこい!!などとクレームをつけてくる。私一人で行くよりオーストリア人のクリ子を一緒に連れて行った方が事がスムーズに進むので一緒に行ってもらうのだが、アナタ~オーストリア人と結婚しててもこの書類が必要です。これを用意してこなくちゃアナタの書類は受け取れません!なんて言われる。クリ子が2年目からの滞在ビザの更新の場合、この書類は必要ないとお役所のホーム-ページに書いてあった!と言ってもダメ!!家に取りに帰ってコピーして持ってこい。それじゃないとアナタの奥さんの書類は受け取れないと言われる。仕方ないので急いでクリ子に家に帰ってもらい、絶対必要でないと思われる書類達をコピーしてまたお役所に出向く。そしてやっと私の書類を受け取ってもらえたと思ったら、放送が流れ、私の名前が呼ばれる。行ってみるとさっきクリ子が急いで家に取りに返った書類は必要ないと違うお役所の人に言われ、その書類は返されてしまった。ほらね!言ったでしょ?ってクリ子は言うけれど腑に落ちなくてもここはだまってそうですか・・とすべてお役所の人のいう通りに従わなくてはいけない。じゃないと滞在ビザがもらえないのだ。何も言わずにハイハイとおとなしくお役所の人に従って行動するのがビザを取るのには一番手っ取り早いのだ。
そんなこんなで今年一年分の滞在ビザも今日やっともらえました。だけどその為に毎年、100ユーロ払うのはどうにかならんかねぇ~。税金をちゃんと払って国に奉仕しているオーストリア人の妻で家族を守るにはここにすまなきゃいかんのだよ、更新の労力はおしまんよ、だけどせめてタダにしておくれ!!そして来年は5年ビザがおりるといいな~。