月: 2007年11月

オーストリアで生活していてこっちのパートナーを持つ者として、いつも気になることがある。あまり日本という国の実態や文化を知らないオーストリア人。ここで日本人から聞く、日本という知識がいつの間にか聞く人からするとそれが日本のイメージになってしまう。だから私はすごく気を遣う。クリ子の仕事関係の人などに日本という国がどういうものか聞かれたらその時、どうこたえるべきなのか？相手は私の思う日本というものを率直な意見として聞きたいのだろう・・だけど私達、ウィーンに長く住むものは意見も物の考え方もどこかかたよってしまう。だから冷静な答えがでない。私の答え一つで日本に対するイメージがまた一つ出来上がるとしたらそれは重要なことなので私も自分の出せる限りの力を出す。

またそれは反対にクリ子の仕事が日本企業相手なら、これはまた話が別。接待を受けると口下手なクリ子に代わり、私が彼の仕事をホローにしなくてはいけない。日本企業からの接待。どうか奥様もご一緒に！この言葉が曲者だ。一流のホテルに泊まれて、美味しい一流の料理をご馳走になり傍から見るといい生活に見えるが、実際はしんどい。クリ子という仕事をする旦那を立て、でも彼が持っていない分を私が補う。それもでしゃばってはいけないが話しをとぎらしてはならない。クリ子達の会社とうまいこと話がまとまるように夜の会食でも話を弾ませる。相手はだんだん場が弾むと英語じゃなく日本語で会話がしたくなる。それはそうだ。日本人なんだもん。そうなってくると私に目は向けられる。クリ子に仕事で必要なことは抑えておきながら私に日本語で”久しぶりに日本に帰ってこられて日本をどのように思われますか？日本は今後どのように成長していくと思われますか？”と私よりふた周りぐらい違う社長さんから聞かれても・・でもここは正直に私の意見を述べるべきなのである。ここで逃げてはいけない。いっぱいかき集めた情報と私の思う観点から日本のこれからの発展に必要なこと、そして足りないことなどを述べる。そして大抵くるのが次にオーストリアの経済や社会保障についてだ。ぎょへぇ～私そんなことまで知りませんぜ！折角の一流の割烹料理をご招待いただいてもこれじゃ喉をたおらない。私はあくまでも脇役と心得ながらも求められる答えに答えなくてはいけない・・・・しんどい。だけどクリ子と彼らの会社が大きくなっていく為に。

決してこれはしんどいことだけではない。色んなことを吸収できる社会を勉強できる私にとってもすごく為になる会だ。だからこそ私も頑張るのである。そしてまもなくまたそのような機会がやってくる。是非とも奥さん共々・・・さぁ～日本の経済新聞を読みあさるのだ！そしてオーストリアのニュースを細かくチェックするのだ！

これからしばらくは社会情勢に敏感になる私なのであった・・・・

いよいよなが～い冬の始まり。朝起きてみるとなんだか外が静かだなぁ～いつもだったら車の音がするのに・・・と窓の外を見てみると雪が深々と降っていた。雪が降ると音を吸収するのかとっても静かだ。

そして朝11時にして外はまだ0度。こりゃ寒いぞ。外では雪かきのガ～ガ～って音が聞こえてきたかと思ったら除雪車がゴ～ゴ～といいながら走っていく。

昼過ぎになって雪もやみ今は雨に変わっている。あ～今年の冬も長そうだ。そして私の風邪も長そうだ～。まだ治らない～・・・

お陰様で体調の方はだいぶよくなりました。どうもこれはこちらで流行っている胃腸にウィルスが入る風邪みたいです。どこで聞いても2日ほどすごく苦しんでその後、楽になるらしい。

そして私もどうにか峠を越した。クリ子の方はもともと私よりだいぶ症状が軽かったようで半日ほどでだいぶ回復し、次の日には昼にお馬鹿だがシュニッツェル（とんかつ）をちょいと食べたそうな。もちろん全部食べられるわけもなく、お持ち帰りをしてその残りを昨日の晩も今日も食べておりました。

でもほんとこれ苦しかった。一日目は飲み物も喉を通らず、いっぱい汗をかいたのにも関わらずその日摂った水分はただお水一杯分。その他は何も喉を通さず。そして昨日はやっとお茶がちょっとずつ飲めるようになり、おかゆを軽くお茶碗に一杯分だけ食べました。火曜日はずっと休んでいたものの、昨日はだいぶ体もよくなっていたこともあり仕事へ。丸2日ほどんど何も食べてない上、まだたまにめまいがきたり、熱があったりでその中、山から山へと移動しきつい風と雨の中歩く坂道はしんどかった。秋の終わりをそろそろ遂げるウィーンでは今、道路に枯葉がすごく積もっている。そこに雨が降ると滑る、滑る。そしてその上、私はハイヒール。傘は風で吹き飛ばされそうになるし、足元はすべるし、そしてその上、何度もバスや車に水しぶきをかけられもう全身びしょびしょ。なんでこんなしんどい日にまたこんな最悪なシチュエーションなのよ・・・もうどうにでも私をしておくれ・・・自分でもう車が通るたびに体に降りかかってくる水しぶきから逃げる気力もなく、されるままに。

それでも日に日によくなってきております。今日は水分もゴクゴクと飲めるようになったし、ちょっとずつ回復してるようです。

そんな死んでいたこの2日ほどのクリ子との会話。”クリ子～頭が割れそう！！”　”え？！ちょっと待って・・・”って私の頭を見るクリ子。そしてクリ子が言った言葉。”頭、割れてきてないけれど・・・頭ちゃんとここにあるけれど・・・”。クリ子～それは例えよ。それは頭が割れそうなほど痛いってことよ。それを分からず本気で頭を見るちょっとおマヌケなクリ子。

そうかと思えば今度はクリ子にやられた。私が”目がなんか押さえつけれたように痛い。だけどこうやって目に圧力をかけると目の痛いのが楽やねん。あ！クリ子～目つぶってるのになんか目の中に模様が見える！なんかなぁ～ドーナッツ型した白い円の中に黒い点がある～！”　”Oyumiche~n,　それはな、こうでこうでこうやから・・・（ちゃんと話を聞いていない私）こう見えるねん。大体はそうやると目の中が白く見えるねん！”と理屈を教えてくれた。”へぇ～そうなん、あ！今度はその黒い穴が大きくなってきた～！”　”Oyumichenは子供みたいやなぁ～。ほらほらママ見て～こんなんが見える！って言ってるみたいやで！”ブーそんなつもりで言ったつもりはないのに・・・

そして最後の極めつけ。病気で苦しんでいた時のクリ子は私に”僕、一人じゃなくてよかった。Oyumichenが側にいてくれてよかった！”ととても私に感謝しているようだったので、なんで？と聞いてみたらそこで返ってきた答えは・・”だってOyumichenが側にいいひんかったらどこに日本の薬あるかわからんやん。僕あの、日本の特別なあのいい～薬が大好きやねん！（ロキソニンのこと）あれ飲んだら酷くならんうちに治るんねんもん。あんまり苦しまんでいいねんもん！”　何かい！私は日本の薬をクリ子に与える為に側にいるだけの役目かい？何かとっても腑に落ちない私であった。だけどそれほどまでに日本の薬ラブになったクリ子。昔はどんなに言っても薬を飲まなかったのに、今やちょいと悪くなりそうならさっさと自分から日本の薬を飲もうとしている。超大切な私の薬は隠してあるが、それ以外のビタミン剤などは薬の棚に入っている。たまにクリ子は今日僕なぁ～黄色い薬飲んでん。そしたらなんかすごい元気やったわぁ～。おいおい、もしやキミはアリナミンを飲んだのかい？そうかと思えば、今日はオレンジの薬飲んだ。だって僕の口の中、ブツブツできてきたから・・・。知らない間に色んな薬を飲んでるクリ子。もしや、私よりクリ子の方が日本の薬を消費してるのでは？？

ってな病気になっても相変わらず話がかみ合っていない二人。だけどお陰様でだいぶ元気になりました。ご心配して下さった皆様、ご心配おかけしてすみませんでした。まだ本調子とまでいきませんが、徐々に回復してきております。 明日はお粥じゃなくて違うものが食べられますように・・・・