タフな男

オーストリア人はタフだ。ってきっとヨーロッパやアメリカ人、体格が日本人よりいい人種はやっぱり体力がある。

IMG_10202.jpgだけどクリ子はご存知の通りガリガリだ。体脂肪率、5パーセントをきるような奴だ。どうも太れないようだ。そんなガリガリ男、クリ子も一緒に生活しているとタフだなぁ~とやっぱり思う。

日本の会社よりは楽とはいえ、朝から晩までお昼を食べる時間が最近取れないぐらい、忙しい日が続いてストレスも貯まっているだろうに、疲れた顔はするものの、愚痴などは一切はかないし、疲れたら普通、晩御飯食べて夜10時を過ぎていれば、普通勉強などしないだろう・・・それが彼の場合、毎日どんなに遅くなろうが、日本語の勉強をPCでやっている。

彼は自分にノルマを課せ、毎日出題される漢字と意味を正確に答えなければ、出題率が増えるというもの。そして一日サボれば次の日は出題数は50も100も増えていくというPCに入っているプログラムをこなしている。

私なんて絶対そんなことできない。同じように一日働いて、帰ってきてご飯作って、それ食べたら、ボケーとテレビなどを意味もなく眺めている。やならなくちゃいけない仕事や物事があったらそらやるけれど、クリ子のこの日本語は誰に強制された訳でもなく、趣味でもなく、私達が世界共通語の英語学ばなくちゃ~ってぐらいの気持ちのものがなんでこうも毎日、夜遅くから日本語の勉強ができるのかが不思議だ。

それは日本語だけに限らない。例えば昨日のダンス教室もそうだ。私達は2年ほど前から週に一回、社交ダンスを習いに行っている。そのダンス教室では、主なスタンダードなダンスからラテンのものまで基本のダンス、すべてを習う。普通はそれだけで十分なのだ。

それがクリ子はどうもスローファックスが踊れないことが悔しかったのか、スローフォックスだけのダンス教室にまた通いだした。ってことは私もなんだけど・・・これがまた微妙な時間から始まるのさ。木曜日の夜の9時前から10時半過ぎまで。ダンス教室が終わって家に帰ってきたら、11時前。私にとっては一週間の中でもかなり仕事の内容がきつい木曜日、家に着くのが晩の7時半。ここでちょっとソファーにでも座ったもんなら、1時間後のダンス教室なんて行きたくなくなってしまうのだが・・・クリ子はこの日はギリギリまで会社で仕事をし、直接ダンス教室に行き、二人でダンスをびっちり習う日が続いている。

そのコースも一応、昨日でようやく終わり。ここでももう終わりにしようかな・・なんて思っていた私とは裏腹にクリ子はその場で、スローファックスの次のコースを申し込んだ。ってことはまた来週からも木曜日は夜の10時半までダンスですか・・・習いたい気持ちはあるけれど、しんどかったら諦めてしまいそうなものなのに・・クリ子はこう!だと思ったらどんなにしんどくても何があっても諦めない。妥協しない。アンタはすごいよ!

って次の日、金曜日も違うダンスコースに通っている。もちろん、そんなにいっぱいダンスの種類をいっぺんにならうとステップが忘れられないので、日曜日の晩、2時間ほど自主トレーニングにダンス教室に行っている。って週のうち3回は晩、ダンス教室に熱心に通っている私達。 正直私の心は、2日で十分です・・

どんどん忙しくなっていく仕事、ストレスもいっぱいなのに、どうやったら仕事の後のアフターに日本語にダンス教室、ケーキ作り・・・アンタもやっぱりタフだぜ。

でも当の本人は何一つ、しんどい顔一つ見せないんです。ついついクリ子の人生って楽しそうでいいねぇ・・大変なことも悩みもないんでしょう~!って言いたくなるぐらい、毎日、冗談言って、好きなこと言って楽しそうに生活してるんです。

私にはわからん。クリ子が・・・!こやつはガリガリなくせに意外とタフ、いや、それ以上に芯が強い。その強さは彼を知ると知るほど強さというものを感じる。こやつの中身は一体どうなってるのだ?今だに不明・・・

今週の豆男作!!

今週末、仕事があって一週間のお買い物にクリ子と一緒にいけなかった私。仕事から帰ってきて冷蔵庫をみてみると・・生クリームにバター、クリームチーズ、卵がいつもより大量・・・

もしやお主、今日もデザートを作るつもりですねぇ・・・

IMG_10251.jpgバニラキッフェルが美味しかった・・・・寒い中、家に帰ってきて一つつまむだけで、パワーが出るんだ!と褒め称えた先週。それを受けて、じゃあ今週は・・・・・って訳だったらしい。なんてかわいい奴よ!喜ばれる顔を楽しみにデザートを作るなんてさ!

クリ子~また今週もおやつ焼くの??

そうだよ!僕のオリジナルデザート。

ってことは分量も何かも適当ってわけ??きまぐれにこの材料を買ってきたって訳??

そうだよ・・・これでなんか作れるでしょう・・・

って出来上がったのがこれ。私の希望により、スフレ風のものを作ってもらった。

IMG_10258.jpg味は最高!ってこの上のフワフワの部分がとっても美味しいんだ。ちょっとクリームチーズとメレンゲあとオレンジの絞り汁とか・・(後は何が入っているのか知らない)とってもフワフワで優しい味だった。

だけどあえていうなら、この下のビスケットの部分が分厚すぎるよ!もうちょっと薄い方が上の生地との割合がとれて美味しいよ!というと適当に材料を買ってきたが為に、上の生地の分のクリームチーズの分量がかなり少なかったそうな。

クリ子さん、また来週楽しみにしてます?!

彼なりのフォロー

今週の半ば過ぎ、私は壊れた。簡潔にいうと自分ができる許容範囲を超えてしまったのだ。この最近、休みという休みもない忙しい毎日を過ごしていた。限界に近づいてきているのを分かっていたのだが、周りは待ってはくれない。

IMG_10239.jpg自分の勝手で毎日をただただ、こなしていくというのでは駄目なのだと心に誓い(忙しいと目の前の物しか見えなくなり、本来自分が求めている色んな面でのクオリティーというモノを忘れがちになるから)、クリ子に私がただただ毎日をこなしていくような生活をしてるように見えたら、その時は、”Oyumichenが本来求めていたことがこの最近忘れられがちになってない?”と忠告してくれ・・と頼んでいた。彼が一番私のことをちゃんと見ていてくれている人だから彼ならそれがすぐわかると思ったから。身内が気づいてくれず、外の人から忠告を受けた時にはすでに遅いのだと思っている私。その時は私という人を求めてきてくれた人が離れていく時。

毎日が目まぐるしく動いていく中で自分の信念を持ちつづける、そしてそれを保ち続ける。それはある意味すごいプレッシャーなのだ。

それが、色んなことがいっぱいいっぱいになり、ついに私は壊れた。木曜日の晩、彼の料理を作りながらいきなり涙がポロポロと出てきた。自分がこなせる許容オーバーをしていたのもあるが、きっかけは分かっているのだ。言いたいことがうまいことドイツ語で言えない腹立たしさ、そしてやっぱり自分が外国人なのだということ・・そこでわからなくなってしまったのだ。料理を作り終えて食事を摂っている間も声にもならない。ただただ涙が静かに滴り落ちていくのだ。

普通ならそんな時、一緒に食事をしている人が”どうしたの??”と聞いてくるだろう。だけど我が家では決してそうではない。私が涙を流して一人でポロポロ泣いていてもクリ子は今まで一度として”何があったの?どうしたの??”とは聞いてこない。見て見ぬふりとはこのことだろう。一緒のテーブルで一人は涙を流してご飯を食べている。その横でもう一人はそれが見えないかのように、陽気な話や一人芝居をしていかにも楽しそうにご飯を食べている。傍からみるととても滑稽な風景に見えるだろう。

だけどそれが彼のフォローの仕方なのだ。決して同情などはしない。”どうしたの?”という言葉さえない。彼は私の泣き顔をみてひたすら元気を出さす為に明るい話をしつづけるのだ。彼はわかっているのだ。同情しても解決しないのを。それなら私がひっかかってるところの問題を解決できるように、また私にエネルギーを与えるのだ~!と。だから楽しい、明るい話をし、気分転換をさせ、どうにかして笑わせる。それが彼の方法。何があったか一切きかない。ひたすら彼は私にいつも”大丈夫さ~”というのだ。

“大丈夫さ~!”ってそれはアンタの心であって私にはアナタの心はわからない。私は大丈夫じゃないの~!!と言っても、”だけどOyumichenは大丈夫なのさぁ~!”と言いつづける。そんな彼にポロポロ泣きながら”クリ子は私のこと強い人間やと思ってるやろ~!!”と聞くと、こんなに壊れて駄目になって泣いている私に向かって”うん!!思ってる!!だってOyumichenは強いもん!”と言い切るのだ。

こうやって同情もしてもらえない。何があったかも聞こうともしない。そしてどんなことがあっても強い女だと思っているクリ子。彼の私に対する対処の仕方はその時は”なんで、わかってくれへんの!なんで突き放した態度なんよ!”と思うのだが、だけどこういう彼の対処法が私にとって早く立ち直る方法なのかもしれない。誰も助けてくれないし、同情もしてくれない・・なら立ち直るしかないのさ!

クリ子の考えはこうだ。同情したって、問題が解決されるわけじゃない。同情して何日も落ち込んでるぐらいなら、勇気づけて、元気を出させてまた問題に立ち向かっていけ~その為に僕は力になるよ!ってことなんだと思う。本当に駄目な時はすぐ救ってあげるから、それまでは自分の力で頑張りなさい!ということ。

こんな彼のお陰でひたすら誰にも相手にされず出すだけの涙をだして、その後はクリ子のおちゃらけキャラに思わず笑い、私はクリ子の作戦に負け、笑い、すべてがこわばっていた自分が少しずつほぐれていき、次の日からすっきりとまた元気になったのでした。

だけどそんなクリ子は突き放すだけではなく、ちゃんと次の日には違うフォローがありました。今日の晩はOyumichenが食べたいものを食べに行こう!と。魚介類が食べたかったので気分転換のできる(現実逃避できる?)エレガントなイタリアレストランに行って、好きなもの食べて、その晩は私がしたいようにさせてくれて、そのお陰で今はもうすっかり元気。(レストランの話はまた後日・・・ )

私は彼の厳しい教育方針とその後の優しいフォローのもと?また来週から頑張るのでした!!(ご心配なく。私は元気です!!)