ちょっとしたショッピングモール?

ここの病院はオーストリアで一番大きな病院というだけあって、色んなものが整っている。たとえば、病院の玄関を入れば、すぐに銀行、郵便局、花屋、パン屋、スーパーマーケット、美容院、そしてピザ屋さんから喫茶店、スタバなどなど。

衣服類を除いてはほとんどのものがここに揃っていると言っていい。でもその中でびっくりするのが、家などの物件を売りに出している不動産の広告、そして花屋さんには、ブライダル用のブーケ、そしてびっくりするのが有名な旅行代理店が入っていること。誰がここで旅行を予約するんだろう??

そしてもう一つびっくりしたのが、区役所が入っていることだ。気付かないで通り過ぎる人も多いのだろうが、確かにあそこには区役所があった。でも何故ここに?と思うが、きっと入院患者や見舞いにくる人達にとって、何かの機会に必要なことがあるのだろう。

入院する前に暢気に病院内に何があるか見ていた私は、手術後は暇で仕方がないだろうから、この機会に、美容院で髪をちょっとだけカラーをしてみようか?などと考えていたお馬鹿さん。

手術後はご存知の通り、そんな余裕など一つもなく、結局あのショッピングモールみたいな玄関口を次に通ったのは、退院の日でした・・・トホホ。

これをもって私の病院滞在記は終わらせて頂きます。長い間、おつき合いください有難うございました。お陰様で退院から1週間が経ち、体の方もだいぶよくなってきており、後は手術後の経過を見守るだけとなりました。

今回の件で、色々と皆様にご心配をおかけしてしまい誠に申し訳ございませんでした。明日からは通常のブログに戻らせて頂きますので今後ともよろしくお願い致します。

なめていた手術

私が体に違和感を感じたのが、半年ほど前。今年の春のこと。腹部が痛い!もしや盲腸か、それとも神経痛か?それが一ヶ月以上続いた時、私は自分で確信した。ははぁ~ん、これは筋腫だなと。

そしてお医者さんに電話をして、きっと筋腫ができてるので内視鏡でみてください・・・とお願いしたことから今回の手術劇は始まった。

検査の結果はやはり筋腫。本当ならとらなくてもいいものだが、その筋腫が神経を圧迫して絶えず痛い。そして将来のことも考えて今回取る事にしたのだ。手術の際に、もし他にも筋腫や切り取った方がいいと思われるものが見つかった時は切り取りますか?という書類にYesとサインした私は、手術後、こんなにもいっぱい色んなところを切り取られてるとは思ってもいなかった。

朝の8時半過ぎに手術室に向けて部屋を出てから、およそ6時間後の14時過ぎに部屋に戻ってきた私は、両手にいっぱい器具をつけられ、なんだか見るも痛々しい姿。一日半ぶりに会うクリ子は、私の変わり果てた姿にたじろぎ、ただ見てるだけ。何をどうしたらいいのかわからないらしく、ボ~としてるので、そんなんだったら仕事に戻っていいよ・・・というとさっさと会社に戻っていった薄情な奴。というか、一人にさせてほしかった。人に気を遣う余裕などなく、だけど誰かが側にいてくれたら、気を遣って何か喋らなくちゃ!とか考えてしまう性格なので、とりあえず何も考えなくていい環境にしてほしかった。

しばらく目をつぶって苦しんでいると、おいおい、なんだかすすり泣きが聞こえてくるではないか!うっすらを目を開けて見てみると、お隣の患者さんのご両親が、私を見て、”可哀想だ!こんなに苦しんでいるのに、彼女は一人で頑張っている。誰もそばについてくれる人がいず、一人で苦しんでるなんて、なんて可哀想なんだ!”と涙を流しているではないか。

いやいや、そんな風に哀れまれては、なんだかこっちが惨めになるではないか!私は自分で好んでこの日は一人にしてもらったのさ。手術が終わったらすぐに病院に行くからね!と言ってくれたウリの言葉を断ったのは私なんだからさ。だけど、不思議。泣かれるとなんだか自分が哀れに見えてくる・・・・

手術後は次の日の朝までベットから動くことなどできず、もう一日以上も飲んでいない水分も、その日は飲ませてもらえず、ただ綿棒に含ませた水分を唇に塗るだけしか許されなかった。

やっと2日ぶりにご飯に出会えたかと思うと、いきなりほうれん草のニョッキにホワイトソースがけとあま~いクリームケーキが出てきた時には驚いた。え!今までお水を飲む事も許されなかったのに、いきなりこの料理ですか?こんなの食べて胃がびっくりしないのだろうか?っていうかこんなヘビーなご飯、まだ食べられません!!!

何がしんどかったか?と言われると、お腹のあたりを切ってるので、喋るにしてもちょっと姿勢を変えるにしてもお腹の筋肉を使うらしく、そこが痛い。手術して3日はまともに立って歩く事もできず、めまいもひどかった。同じ日に手術した人達は、普通に歩いているのに、何故自分だけがこんなに回復が遅いのだ?というか痛々しい感じがするのだ??なんて焦ったが、主治医の先生は手術後に一回顔を出しただけで、後はお目見えにはらならない。

手術はどうだったのか?患部はどうだったのか?しいて言えば、手術が成功したのか?も教えてもらえない。それはすべて今度改めて、お話し合いを持つという。

なんでさ、みんなは手術は成功しました~!なんて言われてるのに、なんで私だけそんな意味ありげな言い方なん??

結局、主治医の先生とお話が出来たのは退院の日。話によると、私の筋腫のあった場所は大変、やっかいなところで、始めの手術方法(お腹の4点を切り、そこに空気をいれて手術する方法)では無理そうだったので、開腹手術に切り替えようかとなったが、一応、ギリギリでどうにかそれをせずにすんだ。だけどその分、体の中の壁を傷つけている可能性がある。そして開けてみたら、もう一つ筋腫が見つかり、それも取り除いた。そして内壁にも痛みにつながるものを見つけたので、それもすべて取り除いた。アナタの今、患部はすべて疑いのあるものは取り除かれたが、その分、広範囲に渡って今、穴が空いていると言っていい状態だ。だから普通の人よりも痛みや回復が遅い。まだこれはしばらく続くだろう・・などなど。

そうでしたか、だから私、他の人達より回復が遅いわけね。なんだ、そう早く言ってくれれば焦らなかったのに。。。。

だけど手術は体力的にも精神的にも疲れるようだ。もっと簡単に手術がすみ、社会復帰が果たせると思ったのに、えらい大変なものになってしまった。どんな手術にしても手術はやっぱり疲れるものだね。

ようこそ緑の世界へ!

手術前日に、明日出頭するという医師から言われた言葉。それは”明日は緑の世界へようこそ~!”だった。一体なんのことだかかわからず、キョトンとしていると、明日は私も手術着(緑色)を着てるからね。だから緑の世界で会おうね~と言われたのだ。

クリ子は入院の手続きだけつき合い、さっさと仕事に行ってしまったので、後は翌日の手術が終わるまでは一人ですべてこなさなくちゃいけない。って言ってもやることなどほとんどない。朝、一番の手術ということもあり、前日は夜から一滴の水も飲むことを許されず、ただ眠りにつくのだが、これまたベットが硬くって寝られたもんじゃない。おいおい、手術前からもう腰が痛いぞ!こんなんじゃ明日からが思いやられじゃないか~!!その上、お隣さんは夜中じゅうずっと、ヒィーヒィー唸ってられるし、もう一つ先の患者さんもなんだか重症そうだし・・・

結局、一睡もできずに朝を迎え、朝一番にシャワーに入り、頭からつま先まで磨きあげた?後、手術用の服に着替えるもどっちが前だかわからない。お~い、何もかもが始めてのことでわからない~!!ま、答えは後ろが全開になってる着かたが正解だったんだけど。お尻丸見えのこの格好に、ルパンの富士子ちゃんのような太ももまでキュッと絞まったパンストを履かされ、後は寝て待ってろ!とのこと。

あ~普通、手術前って映画とかだと、誰かそばにいない?一人で用意して一人で手術に行くのかよ~なんて考えているとなんだかすべてがアホらしくなってきて笑えてきた。看護婦さんから不安だったら、精神安定剤を打つと言われていたのだが、それもなく、お迎えの時間がやってきた。おいおい、予定の時間より20分ほど早いではないか。まだパンスト一本履けてませんけど・・・いいの、いいの、この点滴を打ちながらパンスト履いてくれればいいから・・・はい、頑張って自分で履きます。

なんて言ってるうちにお迎えがやってき、映画のようにベットごと移動。いよいよ手術室に・・・なんて思っていたら、いやいやまだまだ気が早かったようだ。手術室の廊下でベットごと待たされるのだが、ここに2,3人の先客がおられる。みな手術待ちなのだ。一人はもし手術を受けて、下半身不随になってたら、私の一生はもうないに等しい。先生、この気持ちわかりますか?と先生とやりとりをしている患者さん。もう一人は、私のハニー、頑張ってきてね!と甘いチュ~ばかりを前で見せてくれるカップル。いやはや、色んな人がいます。ってこの手術室前に一体、何台のベットが待ってるの?10.11.12~ってことはこんなに一杯の患者さんが、今手術してるってこと??

そしてここでは行くとこ、行くところで名前と生年月日などを言わされ、最後の点検を受け、いざ手術台へ?そう、ここまで運ばれてきたベットからなんだか死体解剖などで使われるような銀の鉄板に乗っけられてしまった。そしてその上に緑のビニールシート。これ、まさに映画の世界?”もしや、この鉄板の上で手術するの?なんだか寝心地悪そうね?”なんて聞いたら、”いやいや、安心して、手術用ベットはまた違うのだから”

すべてが機械で操作されているハイテクなこの病院。お次はどこへ・・・結局、その後、手術用のベットに寝かされ、手術室に向かい、酸素マスクをつけさされ、体中にいっぱい機械がつけられ、さぁ、いよいよ全身麻酔。”全身麻酔したことある?”なんて聞かれ、”ない!”と答えると”じゃあ、初めての全身麻酔ですぐにいい夢がみれますように”って、先生、私のことなめてる??ってその前に先生、今コーヒー飲んできたでしょ?コーヒーのほのかな香りがしてくるよ・・・・。ってそんなことよりも、今私の後ろにいっぱいいる人達は誰?もしかして学生さん?”いや~今日の手術、後ろでうちの教室の学生と一緒に見させてもらうよ!”ってやっぱり見学者がいるんですか・・・

なんて思っているうちに、麻酔が入ってきて、すぐにコテンパン。次に起きた時は手術が終わった後だった。こんなに余裕を持てていたのもここまで。手術後は辛かった。っていうか、簡単な手術と聞いていたので手術というものをなめてました。でもこの先はまた後日。(写真は、病室のベットから毎日見ていた風景)