山の上は新雪

今回の旅はザルツブルグ州にある街、Zell am Seeを拠点にその周辺の山々やそこから足を延ばしてチロル州、ケルンテン州と三つの州を回りました。今回の旅はあまり天候に恵まれなかったので、毎朝天気予報を見てからその日の行先を決めたのですが、ある日はケルンテン州にある母さん達が大好きな山に行ってきました。

ここに来るのは今回で3回目。前回は両親がウィーンに遊びに来てくれた時にウィーンから足を延ばしてここに来ました。その時は初夏だったこともあり色々な花を見ながらハイキングを楽しんだのですが、今回はすでに雪が降っていました。

この時期ヨーロッパは霧に包まれることが多くて、この日もどこも霧だらけで視野は1メートル先しか見えずその先は真っ白。これでは何も楽しめない・・・と私達は山をドライブすることにしました。標高1300メートルぐらい行けば霧も晴れるだろう・・・とひたすら山を車で登っていきます。

あれ?霧が晴れたと思ったらどこも雪がうっすらと積もっています。前日の雨で標高1600メートルぐらいからは雪が降ったようで、オーストリアの紅葉と新雪の両方を楽しむことができました。

車を駐車場に止めてそこからはひたすら山を登っていくのですが、思った以上に雪が深くスニーカーしか持って来なかった母さん達の足はハイキングをはじめて5分後には靴下までびしょ濡れ。足が冷える前に目的地まで山を登ってまた下るぞ~!!とかなりのハイペースで歩く母さん達。

でもあまりにも景色が綺麗でついつい景色に見惚れていたら足も自然と止まってしまいます。(笑)

母さんこういう景色を求めていたのよ~!!と叫びたくなるぐらい美しい景色がそこには広がっていて、もう母さん大満足。

生憎、目的先の山小屋は行った前日で今シーズンは終わってしまい来年の春まで店じまいのようでしたが、駐車場の近くにも山小屋があって暖を取る為にそこではじめて食事をしたのですが、オーストリアの山小屋はとても温かみがあってそして愛情がこもっていて母さん大好き。そしてどこもとてもお洒落。

どこの山小屋も昔ながらの木でできた古い典型的な建物なのですが、どこの山小屋も工夫をこらせて、それぞれ独創的。この日はこの山小屋もシーズン最後の日とあり、この山小屋で提供されているメインはこの一品だけ。

山小屋の外で薪で朝から何時間も大鍋でグツグツ炊いた豚と野菜を自分たちの好みでピクルスや西洋ワサビで食べるというもの。

一人一枚ずつお皿をもらい、好きな部位をコックさんに切ってもらって自分の好みの付け合わせをつけたら、山小屋に戻って食べて、また欲しくなったらまた外に出て、コックさんに好きな部位を切ってもらうというもの。温かみのある素朴な料理。とてもシンプルながら素材とコックさんの優しい味付けがなんとも心を幸せにしてくれるそんな魔法の料理。そして山小屋で食べていると、コックさんが焼きリンゴが焼けたよ~とテーブルまで持ってきてくれたかと思うと、今度は焼き栗が焼けたから味見していってよ~とまた私達のところに持ってきてくれる。山小屋ならではコミュニケーション。旅に行ったら、そこの現地の人や郷土料理を楽しむのが大好きな母さんはこういう時間が大好き!