夏のある一定の期間、オーストリアではいろんなところで音楽際が催されている。その一つがMörbischという街で行われるオペレッタ。湖畔の上に設置された舞台。色んなところに色んな仕掛けがしてあって毎年なかなか楽しませてもらっている。
今年のプログラムはヨハン・シュトラウスの”ウィーン気質(かたぎ)”。とっても軽快で話も愉快でのりがよく楽しい。
舞台の設定はウィーン会議が行われていた頃のこと。”会議は踊る”という映画でも有名なウィーン会議。さすが”ワルツの王”が作ったオペレッタだけのことはある。このオペレッタにも随時、軽快で華やかなワルツが流れる。それにのって皆自然と踊りだす。見ている方まで踊りたくなるようなノリだ。
私はこれまでにVolksoperなどで何度かこの演目を見ているが、だいたい華やかで色が多彩な舞台だったのが今回の演出家はどうもシックに作り上げたかったみたいだ。舞台の大体の基調は白。これもまた新しい試みで新鮮。
残念なことにこの日、すごく風がきつかったせいなのかオーケストラと歌い手の声が客席に届くのに時間差ができ、微妙にずれて聴こえた。あと主役のツェトラウ伯爵役の声が伸びなかった。すごく丁寧に歌っていて好感はもてたのだがすごく誠実そうな彼にとってこの役は合っていなかったのかもしれない。もうちょっと前にでてくるものがあってもよかったような気がする。この公演の間3人でこの役を回していく。なのであえてここでは彼の名前は伏せておこう。
そしてこの音楽祭のもう一つのみどころ。それは最後に盛大な花火があがることだ。このオペレッタが行われている約一ヵ月半、毎日花火が上がるのだからすごい。この花火を見るとあ~夏なんだ~と思う。
演出もオペレッタの構成、もっていき方もなかなかいいものだったのではないだろうか?ドイツ語がもっとわかればもっと色んなところで笑えたのに・・ドイツ語がわかる皆さんは、色んなところで大笑いしていた。(クリ子も含めて・・)その横で分からん、分からん、今の笑いはなに?と首を傾げる惨めな私。 だけど音楽も舞台も十分に楽しめた満足のいく一夜でした。