家族との時間

新学期が始まって一週間が経ったのですが、例年になくこの一週間は大変な毎日で昼ごはん、食べたっけ?食べれたとしてもキッチンで冷凍しておいたものを解凍してそこでまるでインスタントラーメンのように3分で平らげる母さん。新学期が始まったということを実感せずにはいられない母さん。まだ一週間しか経ってないのにすでに秋休みが恋しい・・・。

そんなすでに休暇が恋しい母さん。コロナでロックダウンを何回も体験し、子供との時間が自然と増えて、子供との距離がこの一年半ですごく縮まったような気がします。すごく近いところに絶えずいる子供たちと生活しているうちに、母さんも子供たちが今まで以上に恋しく、愛らしく感じるようになりました。(それまではヨーロッパにあるある子供は子供。大人は大人で自分の人生も大切~!!って考えだった母さん・・・)子供との時間が一番嬉しく感じるこの最近。

でもクリ子はやはり家族の大国柱。家族も大切だけど仕事も大切。そしてその仕事が趣味のように大好き!!ときた。ロックダウンがあろうとも何があろうとも仕事は仕事。仕事の関係もあるですが、在宅ワークをするのが難しく、どんな時でも毎日普通に定時に仕事に行き、夜遅く帰ってくる生活を送るクリ子。オーストリアでは年に5週間の有給が義務付けられているのに、何故か夏の時点で5週間丸まま有給が残っています。母さんからクリ子にそのことを指摘すると本人は怒るだけで、有給は取ろうとしてくれません。それを見かねたママ友が、仕事が大好きで仕事が大切なのも分かるけれど、今しか子供とは一緒に旅に行けないよ!!一週間ぐらい休みを取っても子供との時間はかけがえのないものよ!!と説得され、実は今年なんと2回目のバカンスに行ってきました。(母さん、持つ物はママ友!!!)

行った先は、我が家の恒例のザンルカンマーグート。(あれ?3週間前にもバカンスにここに来てなかったっけ?って声が聞こえてきそう・・・笑)今回はBad Ausseeを拠点に色々なところを回ってきました。

母さんの旅のモットーは、親に時間の余裕があるバカンスの間はできる限りに子供に向き合って、色々なことを成長させてやりたい!!というのが母親心。子供にとってどこに行くかより、その場所で何ができるかが大切。海外に行かなくても海に行かなくても、子供はその場に遊ぶところがあればそれで大満足。大人は素敵なレストランでご飯が食べたいと思っても、子供はご飯がどんなものであれ、充実していればそれでいい。・・・ってわけで今回も我が家は素泊まりのキッチン付きのアパートメント。

通常のホテルの一室よりも広くて、たいていマンションの一部屋や一軒家がアパートメントとして貸し出されているオーストリア。食事は付いていないし、掃除なんかやタオルの換えなどホテルでのサービスは何もついていないけれど、それがかえって我が家の今には心地いい。

食事は好きな時間に好きなものを食べればいいし、洗濯がしたければ部屋についてる洗濯機を回せばいい。(その分、服を持参する量も減れば、家に持ち帰る洗濯物も減る)部屋には掃除機も置いてあるので、気になればちょこちょこ掃除機をかければいい。そこには自分たちの時間で過ごせる空間があるのが我が家には心地いい。(あら?子供がくつろぐスペースに何故アナタがいる?)

料理も家に残っていた冷蔵庫の食材をそのまま持ってきて、現地でスーパーで買い足したものとで一週間毎日自分たちの胃袋と相談して好きなものを調理して食べられるが無駄もなくて快適。この旅の間に家にあった餃子の皮で餃子を作ったり、炊き込みご飯を作って、おにぎりにしてお弁当をみんなで湖で食べたり・・・子供たちはそんな素朴なご飯をわぉ~と喜んで食べてくれる姿を見て母ニタリ・・・(笑)遠くに行かなくっても子供たちに向き合って充実した時間を過ごすのが私たち家族みんなが幸せな時間なんだと感じるこの数年です。(この日は夜ご飯にウィーンの家から持ってきたお肉を焼いて、前日余ったスパゲッティーを添えてサラダと一緒に食べました!)

その私たちの旅の舞台に活躍してくれたのが今回のお宿。60㎡のアパートメントですが、200年ほど前の邸宅を改装したもので、まるでちょっとした洞窟みたいでとても面白い構造でした。今回はキッチンが広くて、使い勝手がよくって母さんキッチンには大満足!!(でも他はデザイン性ばかりにこだわって実用的でなかったのが残念・・・でもそれはここだけのハ・ナ・シ・)笑

我が家のガーデン

明日からまた新学期が始まるウィーン。子供たちだけでなく母さんまでが何故か気が重くなっているのは気のせい?この夏は充実はしていたもののアッという間に夏休みが終わってしまって、とても夏休みが名残惜しいです。あと2週間ぐらい夏休みだったら最高なのになぁ・・・。いよいよスカイは最後の一年。そしてルーべも小学校最後の年。なかなか気合を入れていかなくてはいけません・・・・。(涙)

さて我が家の庭事情。なかなかロックダウン事情やお店側の発注ミスなんかで東屋の家本体の機材が揃うのに時間がかかりましたが、予定より半年以上経って東屋が完成しました。

以前あった東屋の解体は母さんも色々とお手伝いしましたが、それ以降はすべてクリ子一人で週末にコツコツとセメントをひいて土台作りから、家作り、タイル張りなどすべて一人でやってくれました。

思ったよりとても快適な空間で、出来上がってからというものここでバーベキューをしたものを食べたり、女子会をしたり・・・ゆったりとした時間を過ごすことが多くなりました。

前の東屋が傾いてしまった原因は東屋の横に植えてあった藤の木。この家を買う以前2年ほど放置状態で剪定をしなければすぐにどこへでも伸びていく藤の木が東屋の屋根に根を張ってグングンと育ち、その重さで東屋が傾いてしまったのですが、さてこの東屋で支えられていた藤の木をどうするかが今度は次の課題。東屋を建てるにあたって、沢山枝を切り落としましたが元気な枝たちは今後どこに這わせる??

色々とアイデアをクリ子と出し合って最後は庭にアーケードを建ててそこに藤の木を這わせていくという案。この木自体がどれぐらいまだ元気なのかもわからないので、とりあえずまずはこうやって様子をみてみようというもの。

建てた始めのころはとても無機質な感じがしたのですが、3ヶ月もすると藤の枝から新緑がでてきて今では緑のトンネルと化しています。

次は余ったセメントが古くなる前にこの通路に新たにセメントをひいてもらって綺麗にしてもらおう・・・と企んでいる母さん。言うタイミングを見計らっている母さん!さてどうなるかな?!

未来が見えない世界

終わりが見えてこないコロナ。日本のニュースを見ても、ヨーロッパのニュースを見てもコロナにアフガン問題、天災(地球の温暖化)・・・もう気持ちが沈む話ばかりでどんどん暮らしにくい世の中になってきていて、この先のこと、未来を考えるのが怖くなります。

身近なところでも色んなことが起こっていて、私たちはこんな世の中でも自分を失わないように、そして生活を失わないように一生懸命しがみついて暮らしています。

コロナの影響は一年半が経ったこの最近、色んなところで感じるようになりました。それは教育でも色々と感じるのですが、今スカイの幼稚園のクラスでも担任の先生がコロナでのしわ寄せが来てやめてしまい、アシスタントの先生までが悲鳴をあげて、幼稚園にこられてません。子供たちは担任の先生もアシスタントの先生も不在の中、毎日のように変わる補助の先生と毎日幼稚園生活を送ってます。幼稚園も人材不足でなかなか先生が見つからないのが現状で、コロナの影響は子供にも皺寄せがきてるように思います。

そして昨日は義父の妹さんがもう駄目!と悲鳴の心の声をあげて家から飛び出してこられました。義母が話相手になり話を聞いていくうちに、ここにもコロナで人生を見失った家族を見て、涙がでました。義父の妹さん、叔母さんはずっと福祉関係の仕事についてられて親を失った子供たちや家庭の事情でちゃんと教育が受けられない子供たちの世話をしてこられました。この叔母さん夫婦には子供ができず、でも子供が見せる笑顔が好きでその仕事についてこられたのだと思います。このご夫婦が母親が育児放棄して4ヶ月の赤ちゃんを放りだした赤ちゃんを引き取ったのが16年前。わが子のように可愛がって育ててられました。我が家にもその子(男の子)のおさがりの服や物が色々とあります。その物を見るといかに愛情をこめて丁寧に育ててこられたかがわかります。

その男の子は今では16歳になるのですが、この新型コロナで今まで熱中していたサッカーや学校へも行けず目的が見出せない生活が彼の中で始まった時、彼はすべてを放り出し、違う道に顔を突っ込んでしまいました。それ以降、暴力、叔母さん家族からお金を盗みだしたりしました。それはコロナが始まってからしばらくしてのことだから、この一年で大きく彼の人生の価値観が変わってしまいました。何十年と会っていなかった自分の母親に会いに行き、そこで数週間生活するなかで今度は麻薬に手を染めてしまった。叔母さん自身、高齢者で杖をついて生活されていて、叔母さんのご主人はこの数年アルツハイマー型認知症にかかられて色々と生活に不自由が出てきてられました。今までにヘルプを出され、この一年色々と対策を試まれましたが、お歳のこともあって、これ以上はもうこのご夫婦のところでこの男の子と生活するのは無理だということを市が判断し、今後は警察のブラックリストにこの男の子は載り、今月中に家から出て、更生施設で暮らすことが決まりました。

叔母さんご夫婦、それを見守る私たち親族、色々な想いがあり残念で悔しく、簡単に言葉にできない葛藤がありますが、叔母さんがどんなに愛情を込めて育ててこられても、その男の子には小さい頃から彼自身の人生に暗い影、寂しい想いや空虚があってそれは叔母さんの愛では埋められなかったのでしょう・・・。今は彼が立ち直っていつか社会に戻ってきてくれることを願うしかありません。

コロナやテロ、世界の不安定な情勢・・・・なかなか自分たちの先を見据えて、人生設計を立てるのは大変な世の中ですが、こんな世の中だからこそ自分を失わずに自分というものをちゃんと持ってていてほしい・・・。