スピード出産!

この一週間ほどウィーンはとても暖かくてもう春がそこまで来てるのを感じます。・・・とは言え、まだ2月に入ったばかり。また寒い日もやってくるんでしょうが、外がちょっと春らしくなると気分もワクワクしてくるもんです。

IMG_36446さて小チビが産まれてきて早いもので10日が経ちました。ちょっとずつ我が家の生活リズムもできてきて、少しずつ家の中も落ち着いてきました。今回の出産、申し分のない安産で母ちゃん、体力をあまり使わなくてよかったせいか産後の回復もルーべの時に比べて早いような気がします。

小チビは思ったより頭も体も大きかった為、母体にかかる負担を減らす為に出産予定日を待たずして一週間前に出してしまおう~と主治医の先生に言われて、1月22日の朝に今回もルーべの時同様”ひまし油”を飲みました。ルーべの時は飲んだ時期がちょっと早すぎた為、何の効果もなかったのですが、今回は妊娠39週目に入ってからの”ひまし油”なので効果はありそう・・・っていうのが母ちゃんの予想。”ひまし油”だけ飲むととってもまずいらしいのですが、我が主治医はスペシャルレシピとして”ひまし油60ml ”にコニャック(我が家にはコニャックはなかったのでラム酒)と牛乳と蜂蜜をブレンドしたものを飲むように勧められたのですが、これかなり美味しいです。もっと飲んでもいいぐらい!!お酒まで飲むの??なんてびっくりされる方もおられると思いますが、出産日にちょこっとお酒を飲んでリラックスするのはこちらではいいとされているので、陣痛がきたりしたらまずはリラックスして赤ワインなんかを飲みなさいと勧めるお医者さんもいるぐらい。

さて飲んで5時間経ってもなんの変化がなく、やっと昼の3時ぐらいになってお腹を壊しだしたものも陣痛はこず。夕方の6時まで経っても陣痛がこなければアニーのところに預けているルーべを迎えにいこう・・・と後もう少しでルーべ迎えにいくから・・・とアニーに電話した直後に、あれ?今パツンっていった??あれ、羊水みたいなのがちょろっと出た???こりゃ様子が変わってきたゾ!すぐさまクリ子に電話して仕事から帰ってきてもらうようにして、アニーに今からやっぱり病院に行くと電話し終わったら、あら・・・急に陣痛が・・・それもいきなり5分おき。

会社から家まで10分で通える距離のクリ子。急いで帰ってきてくれてそのまま病院に入ったのが夕方の6時15分。前回の時もそうなんですが、最後の最後に産むという時まであまり陣痛の痛さがない母ちゃん。病院について・・・あの~羊水がちょろって出て、陣痛が今2,3分おきに来るんですが・・・。もう主治医の先生には電話してこっちに向かうように手配してあるんで、入院宜しくお願いします~!!なんてインフォのところでニコニコしながら言ったら、助産婦さんが”ヤッホ~!!産まれるねぇ~!!”なんて和やかな雰囲気で会話して、一人の助産婦さんが”とりあえず陣痛室で陣痛の波を図りましょう”・・となったのですが、”いや、その前に子宮口の開き具合を見てみましょう~!!”と言われて見てもらったら、”子宮口8センチ開いてます。こりゃ陣痛室でゆっくりしてる場合じゃないよ、アナタ、分娩室まで走れる??”

”ハ~??今走れっていいました??” 走れって・・・なんてこと言うんだこの助産婦。もしこの助産婦が私の担当だったらかなり不安だよ・・・なんて思っていたら的中!!最後までこの助産婦でした・・・母ちゃん。(笑)その後、分娩室に急いで入ったのが6時半。その後主治医の先生が分娩室に到着して、先生に”ごめんねぇ・・・今晩花の金曜日だから用事あったんじゃありません??大丈夫でした??” ”マニュキュアの予約入れていたけれど、明日に来てもらうことにしたから大丈夫よ~!!”なんて会話をしながら出産の用意を先生がしてくださって、新米助産婦・・・主治医の先生の言うことも聞かず、クリ子には入院手続きをとりあえず早くしてきて・・・!と言ってくる。主治医の先生は前回同様、産まれてくるの早いと思うから、入院手続きは出産後に・・・なんて言った下さったのですが、いや、先してきて下さい・・・と食い下がらない助産婦。それを聞いて主治医の先生は”とりあえず携帯持って走って行って来て~!!なんて言われてバタバタする中、入院手続きに行ったクリ子。

その3分後・・やっぱりもう間に合わない・・・やっぱり今すぐ帰ってきて~!!!もう産まれてしまうよ~!!”と先生が電話してくださり、また走って帰ってきたクリ子。そしてそのまま踏ん張ること20分。7時には元気な赤ちゃんが産まれていました。病院に着いてから一時間足らずでの出産。もう何がなんだかすべてが目まぐるしく動いて、気づけばアッという間に産まれてきてくれた我が子。

教え子のお母さんが凄腕の産婦人科医で、その先生に今回出張出産のお願いをして挑んだ出産。結局助産婦は何もせず・・・産まれてきて赤ちゃんを見て、”大きな赤ちゃん!早く体重と頭の大きさを測りたいわ!先生、今測ってもいいかしら??”なんて間抜けなことを聞いている助産婦。”その前にいっぱいやることがあるでしょ!測るのはあと!!” となんとももう呆れて何も言えなくなる私達。この主治医の先生がいなかったら今回の出産はここまですんなりと安産で生むことができなかった・・・!!4回の妊娠生活のすべてを見てきて下さった先生だけに、今回は本当に側についていて下さって心強かったし嬉しかった!!!先生ありがとう~!!それにしても間抜けな助産婦よ!!もっと実習つんでこい~!!!!

 

道のり

今日でミニボーイが産まれて丸一週間。今のところよく飲んでよく寝てくれる母ちゃんにとってはなんとも親孝行な子です。ルーべもしばらくするとやっかみなんかが出てくるのかも知れませんが、今のところは赤ちゃん返りすることもなく、毎日ニコニコでいてくれてます。

IMG_3414さて今回の出産、このブログではできるだけ皆さんが読み飛ばせるように我が家で起きた暗い話は書かないようにしているのですが、自分が今回出産するにあたってインターネットで色んな方の体験話を読ませていただいて精神的に助けられた部分もあるので、私事ですが、我が家の今回の出産に至るまでの5年間をちょこっとだけ書かせて頂こうと思います。

実は母ちゃん、今回が4回目の妊娠でした。まだまだ我が家に子供はいいや・・・と思っていた2011年、思いがけずコウノトリがやってきてくれて順調に妊婦生活を送っていました。もうそろそろ妊娠7ヶ月に入るからベビーカーなんかも考えなくちゃ・・・っていう時になってお腹にいる赤ちゃんが病気だと分かりました。原因不明の3000人に1人という割合で発生する不幸だと病院の先生に言われ、今までの夢のような未来が一瞬にして暗いどん底に突き落とされました。入れ替わり深刻な顔をしたそれぞれの担当医の先生が来て色々な検査をした結果、妊娠予定日まで待って出産しても我が子の場合生きられる可能性は3ヶ月。産まれてすぐに手術、手術・・・一生手術をしなくてはいけないこと。それからその手術はオーストリアではされていない為、産まれてすぐにドイツの病院でしばらく治療すること。それでも生きられて3ヶ月。もちろんそこには多額の手術費がかかること・・・・などを説明されそれぞれの医師から私達が決めることではないけれど、今回は赤ちゃんを諦めることを勧められました。

産まれてすぐに母子はドイツの病院でお世話になり、毎度の多額の手術費を稼ぐ為にクリ子はオーストリアに残って仕事をしなくてはいけない現実。それでもきっと3ヶ月ぐらいしか生きられない・・・・迷いに迷って妊娠7ヶ月に入ってすぐに陣痛促進剤を打って自然分娩で我が子を産みました。それは我が子が産まれると同時に無くなってしまうという死産を意味します。産まれてまだまだとっても温かい体は数秒前に息を引き取ってしまいました。もちろん辛くて悲しい現実ではありましたが、初めて手にする我が子がすごくいとおしかった・・・。。そしてクリ子と3人で入られる数時間がすごく幸せでした。

その後は私達両親よりも早くなくなってしまった我が子・・・お葬式の手配からお墓の手配・・・もう一日一日前見て生きることが精一杯でした。病院の先生からこういうシチュエーションの場合、母親は70パーセントがうつ病になるから、カウンセリングを受けるように勧められ、私をうつ病に決め付けるな!!私はうつ病にはなるまい!!自分でどうにかしてやる!!そればかりを毎日考えて前を進みました。

くり子と二人で神様から与えられて私達への試練を乗り越え、そしてその不幸から数ヵ月後にまた赤ちゃんを授かることができ、産まれてきたのがルーべ。ルーべもすんなりと出産までの過程を越えられたわけではなく色々とありましたが、今こうやって元気に我が家の一員としていてくれています。

ルーベが2歳を過ぎた頃、ルーべに兄弟を作ってやりたくってもう一人考えるようになったのが一昨年。秋ごろに妊娠が分かり、これで我が家にもう一人家族が増えると喜んで矢先、検査で妊娠初期によく起こりうるお腹な中で子供が育っていない・・・という現実を突きつけられ、流産という結果になったのが一昨年の暮れ。今回のケースはよくあることだから・・・と頭で解りながらも体と心がついていきませんでした。一回目の妊娠で起こった不幸に比べると今回の不幸はよく妊婦さんにあることだから・・とくり子や家族の精神的なサポートがなく一人ぼっちで大晦日に手術して一人で荷物をまとめてタクシーで家に帰ってきたら、自分が自分でなかった。一人目を出産してそれが死産で乗り越えなくちゃ、乗り越えなくちゃ・・・と思って前だけを見て過ごしていたのが、今回の流産と同時に爆発して出てきたのか、心身ともに自分でコントロールできなくなってました。一日先の未来を考えることも、クリ子と顔を付き合わせることもすべてがしんどくて、自分でどうにかしなくちゃ!と思ってもどうにもならなくて明日、明後日・・・をみていく自信がなかった。今思えばうつ病になっていたのですが、その時は自分で解る由もなく、食欲もそして洗濯物一つ干すこともすべてがしんどかった。それから3ヶ月ほど妊娠・・・というキーワードを考えるだけで吐き気と眩暈に襲われ、もう妊娠は自分には無理かと思っていたのですが、うつ病も3ヶ月を過ぎた頃からましになり、できてもできなくてもいいからもう一度だけ頑張ってみよう!と気になったのが去年の春先。そして幸運にもまた赤ちゃんを授かることができ、今回第二子となる赤ちゃんを出産するに至りました。

正直産まれてくるまで、また何かあったらどうしよう・・・最後の最後まで産まれて顔を見るまで不安で不安でなりませんでした。現実逃避する為に神経質になりすぎる自分から離れる為、できるだけ何も考えないようにして過ごしたこの10ヶ月。

今は元気に産まれてきてくれたことがただただ嬉しい。こうやって家族4人プラス天国で微笑みかけてくれている息子とみんなで1月22日という日を迎えられたことに感謝しております。

高齢出産ということもあり、色々とあった今までの道のり。もう一時期は無理かと諦めたこともありますが、今こうやってまたベービーを迎え入れることができました。私がネットで辛い体験をされた方々の体験談を読ませて頂きて励まされたように、私もまた読んで下さる方の少しでも励みになれたら嬉しいです。

第二子誕生

私事ですがウィーン時間の1月22日、19時に第二子となる男の子を出産致しました。今まで色々とあっての今回の出産、無事に元気に産まれてきてくれたことに正直、今はただただホッとしております。病院に着いて45分で産まれてくるという産まれて早々親孝行をプレゼントしてくれた息子。昨日無事に母子ともに病院から退院してまいりました。

IMG_36445これからはボーイズ3人に囲まれての賑やかな生活になりそうです。これからドタバタの賑やかな我が家族をどうか温かく見守ってくださると嬉しいです。