道のり

今日でミニボーイが産まれて丸一週間。今のところよく飲んでよく寝てくれる母ちゃんにとってはなんとも親孝行な子です。ルーべもしばらくするとやっかみなんかが出てくるのかも知れませんが、今のところは赤ちゃん返りすることもなく、毎日ニコニコでいてくれてます。

IMG_3414さて今回の出産、このブログではできるだけ皆さんが読み飛ばせるように我が家で起きた暗い話は書かないようにしているのですが、自分が今回出産するにあたってインターネットで色んな方の体験話を読ませていただいて精神的に助けられた部分もあるので、私事ですが、我が家の今回の出産に至るまでの5年間をちょこっとだけ書かせて頂こうと思います。

実は母ちゃん、今回が4回目の妊娠でした。まだまだ我が家に子供はいいや・・・と思っていた2011年、思いがけずコウノトリがやってきてくれて順調に妊婦生活を送っていました。もうそろそろ妊娠7ヶ月に入るからベビーカーなんかも考えなくちゃ・・・っていう時になってお腹にいる赤ちゃんが病気だと分かりました。原因不明の3000人に1人という割合で発生する不幸だと病院の先生に言われ、今までの夢のような未来が一瞬にして暗いどん底に突き落とされました。入れ替わり深刻な顔をしたそれぞれの担当医の先生が来て色々な検査をした結果、妊娠予定日まで待って出産しても我が子の場合生きられる可能性は3ヶ月。産まれてすぐに手術、手術・・・一生手術をしなくてはいけないこと。それからその手術はオーストリアではされていない為、産まれてすぐにドイツの病院でしばらく治療すること。それでも生きられて3ヶ月。もちろんそこには多額の手術費がかかること・・・・などを説明されそれぞれの医師から私達が決めることではないけれど、今回は赤ちゃんを諦めることを勧められました。

産まれてすぐに母子はドイツの病院でお世話になり、毎度の多額の手術費を稼ぐ為にクリ子はオーストリアに残って仕事をしなくてはいけない現実。それでもきっと3ヶ月ぐらいしか生きられない・・・・迷いに迷って妊娠7ヶ月に入ってすぐに陣痛促進剤を打って自然分娩で我が子を産みました。それは我が子が産まれると同時に無くなってしまうという死産を意味します。産まれてまだまだとっても温かい体は数秒前に息を引き取ってしまいました。もちろん辛くて悲しい現実ではありましたが、初めて手にする我が子がすごくいとおしかった・・・。。そしてクリ子と3人で入られる数時間がすごく幸せでした。

その後は私達両親よりも早くなくなってしまった我が子・・・お葬式の手配からお墓の手配・・・もう一日一日前見て生きることが精一杯でした。病院の先生からこういうシチュエーションの場合、母親は70パーセントがうつ病になるから、カウンセリングを受けるように勧められ、私をうつ病に決め付けるな!!私はうつ病にはなるまい!!自分でどうにかしてやる!!そればかりを毎日考えて前を進みました。

くり子と二人で神様から与えられて私達への試練を乗り越え、そしてその不幸から数ヵ月後にまた赤ちゃんを授かることができ、産まれてきたのがルーべ。ルーべもすんなりと出産までの過程を越えられたわけではなく色々とありましたが、今こうやって元気に我が家の一員としていてくれています。

ルーベが2歳を過ぎた頃、ルーべに兄弟を作ってやりたくってもう一人考えるようになったのが一昨年。秋ごろに妊娠が分かり、これで我が家にもう一人家族が増えると喜んで矢先、検査で妊娠初期によく起こりうるお腹な中で子供が育っていない・・・という現実を突きつけられ、流産という結果になったのが一昨年の暮れ。今回のケースはよくあることだから・・・と頭で解りながらも体と心がついていきませんでした。一回目の妊娠で起こった不幸に比べると今回の不幸はよく妊婦さんにあることだから・・とくり子や家族の精神的なサポートがなく一人ぼっちで大晦日に手術して一人で荷物をまとめてタクシーで家に帰ってきたら、自分が自分でなかった。一人目を出産してそれが死産で乗り越えなくちゃ、乗り越えなくちゃ・・・と思って前だけを見て過ごしていたのが、今回の流産と同時に爆発して出てきたのか、心身ともに自分でコントロールできなくなってました。一日先の未来を考えることも、クリ子と顔を付き合わせることもすべてがしんどくて、自分でどうにかしなくちゃ!と思ってもどうにもならなくて明日、明後日・・・をみていく自信がなかった。今思えばうつ病になっていたのですが、その時は自分で解る由もなく、食欲もそして洗濯物一つ干すこともすべてがしんどかった。それから3ヶ月ほど妊娠・・・というキーワードを考えるだけで吐き気と眩暈に襲われ、もう妊娠は自分には無理かと思っていたのですが、うつ病も3ヶ月を過ぎた頃からましになり、できてもできなくてもいいからもう一度だけ頑張ってみよう!と気になったのが去年の春先。そして幸運にもまた赤ちゃんを授かることができ、今回第二子となる赤ちゃんを出産するに至りました。

正直産まれてくるまで、また何かあったらどうしよう・・・最後の最後まで産まれて顔を見るまで不安で不安でなりませんでした。現実逃避する為に神経質になりすぎる自分から離れる為、できるだけ何も考えないようにして過ごしたこの10ヶ月。

今は元気に産まれてきてくれたことがただただ嬉しい。こうやって家族4人プラス天国で微笑みかけてくれている息子とみんなで1月22日という日を迎えられたことに感謝しております。

高齢出産ということもあり、色々とあった今までの道のり。もう一時期は無理かと諦めたこともありますが、今こうやってまたベービーを迎え入れることができました。私がネットで辛い体験をされた方々の体験談を読ませて頂きて励まされたように、私もまた読んで下さる方の少しでも励みになれたら嬉しいです。

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