2000年以上も前から人類はこんな生活をしていたのか、と思うとそれからの人間の歩みがすごくちっぽけに思えてくる。
ヴェスーヴィオ火山の噴火によって失われた古代都市、ポンペイ。災害前のポンペイの人口は1万5000人ほど。神殿から裁判所、行政機関、スポーツジム、共同浴場、居酒屋や売春宿まで、現在の日常生活とほとんで基盤は変わらないものが、2000年以上前からあったと今の人は信じられるだろうか。
なによりびっくりするのが、この時代にもう水道管が引かれていたことだ。これによって裕福な家庭や、公共機関に水が供給され、水道の蛇口をひねると水が出てきたという。実際、ここを回ってみて色んな場で今となんら変わらない手洗い場、そして給水場を目にしたが、これが本当に2000年ほど前の生活なのかと疑いたくなる。私の頭の中では井戸水を汲んで、生活している図しかなかったので、これはかなりショックだった。
今でも噴火によって灰の下に埋もれてしまったこの街の発掘、研究は進んでいるのだが、あまりにも広大な土地と建造物に、先はまだまだ長い。
共同浴場なんて、ハンガリーやその他の国でも見られる昔からあると言われる100年ほど前にできたと言われる温泉施設となんら変わりのないぐらい、中の設備が充実している。そして壁に施された彫刻から、大理石でできた床や湯船、太陽光線をうまいこと取り入れた天井・・・何もかも驚かされるものばかり。
この街を見て歩くだけでまる一日はかかってしまうのだが、保存状態がいい為、昔の街並みがそのまま残っており、そこから2000年前の生活をするだけで楽しく、飽きない。
今回、この旅行で色々なところを回ったが、どこが一番行ってよかったか?と聞かれると私はきっとここポンペイを挙げるだろう。それぐらい私にとっては考え深いところだった。是非、また発掘が進んだ10年後、20年後にここを訪れてみたい。