クリ子は日本に帰る度に何か日本で彼なりに吸収してくるらしい。8月上旬に日本からこっちに帰ってきてからというもの一つの変化が彼の中で起こった。
それが、帰るコール。私の父であるお父さんは会社を出る前に今から会社を出ます!と帰るコールを毎日していた。その帰るコールによって母は夕食の最終仕上げに入っていた。私はそんな実家の生活スタイルを一つの家族のあり方としてとらえたていた。
それがクリ子は何を感じたか、今回の日本滞在以来、仕事が終わって会社を出る際、毎日私に”今から会社を出ます~!”コールをしてくる。なんでこの最近、会社を出る時に私に電話をしてくれるの?って聞くと、日本でお父さんが毎日そうしてはったから!らしい。
あの~クリ子さん、お父さんは会社から家に帰るまでに30分は最低かかる距離だから帰るコールをしてくれるとそれによって色々準備もできるけど、アナタの場合、会社から家まで歩いて5分ってことは、電話を入れてくれて5分後には家につくってことだよね。あまり意味がないのですが・・・っと思うのだがそれは言えず。彼の電話が入ったと同時にフライパンに火をかけて焼きだしたら、ちょうど彼が帰って来た時にお肉が素敵に焼けているってことかな。
ってな訳で我が家は彼の帰るコールがあったらその後に最後の今夜の料理の仕上げにかかり、5分後に彼が家の扉を開けたらちょうど出来上がるってな具合になってます。
ちなみに今夜の夕食はタラのムニエルにポテトサラダ、そしてパプリカとほうれん草のソティーにパンとそれのパテェ、それに白ワイン。20時まで仕事して、30分で作り上げた料理にしては上等?ってこれはそれぞれの考えの違いだけど我が家の今のスタイルにしてはこれで十分なのだ!と自分に言い聞かせている都合のいい女、ここに一人。
そういや、クリ子が日本から帰ってきてからのもう一つの変化・・・ちょっと硬くなったパンはフレンチトーストにしてほしいらしい。彼はオーストリアでこれを食べた事がなかったらしい。日本で初めてフレンチトーストというものを食べて以来、ちょっと古くなったパンを見ては今週末はフレンチトースト??と訪ねてくるクリ子。わかったよ、作ってあげるからおとなしくしてて~。