海外に住んで初めてわかる日本の美というものがある。日本の美意識、美徳は一言で言い表すことのできない奥深いものがある。
そして日本の美は日本という国、文化、人と接していると自然と色んなところで感じられる。そういう日本の美しさを改めていろんなところで感じることができるようになった自分に対し、そういう環境を与えてくれた両親に感謝したい。
なんと日本の華は美しいのだろう。西洋に咲くバラももちろん美しい。だけどこれほどまでに美しく、そして華やかに堂々としつつもどこな控えめなこんな表情で咲いているのはこの冬牡丹しかないだろう。
この冬牡丹は西洋の気候では咲かない。日本のこの土壌、そして気候、そしてこの花を育てる人の心遣いによってどこか奥ゆかしく、愛情たっぷりな表情の花を咲かせるのである。
繊細な冬牡丹、美しく咲くためには冬の雪、風から守ってやったり、虫から守ってやったりここまで細やかな心遣いができるのもまた日本人しかいないだろう。
なぜ私は、そして日本人は自分達を卑下するのか。こんなにすばらしい心遣いと優しさがあるのに。今の日本社会は政治家も国民も皆、自信をなくしているように思う。日本は世界に先駆けていろんなものをやっているのに・・もっと自分達、そして日本を認めてやってもいいんじゃないのかな?
この華を見て、ロニーが言っていた。自分の家の庭にこの華の種を植えたいと。だけどこれは日本のこの気候、この空気、この空があるからこの華が美しく見えるんだって。オーストリアのあの土壌では絶対こんなに美しくは咲かないと。こんな美しい華が育てられる日本って素晴らしいね!って。
そうなのである。日本には他の国には真似できない素晴らしさがいっぱいあるのだ!ってことに気づきだしたのは、残念ながら自分が歳を重ねてきてからだ。だけどこうやって日本の素晴らしさが分かりだした今、日本の文化、そして気質を大切にしたいと思う。