幻に終わったプレートルの演奏会

イースターの時期はそれにちなんでウィーンではいくつか演奏会があるのですが、その一貫の一つ、ウィーン交響楽団Georges Pretre指揮というプログラムがあったんです。プレートルの演奏はテレビやラジオで聴いたことが何度もあって好きな指揮者の一人なのですが、生で聴いたことがなかったので、いい機会だと思いクリ子を誘って演奏会チケットを買ったのですが・・・。

クソ~!!やられた。プレートル指揮キャンセル!!折角楽しみにしていたのに・・・。それもプレートルの演奏をちゃんと聴きたかったから高い席をクリ子の分も私が寂しいお財布から出して買ったというのに・・・・。それがクリ子もひどいんです。キャンセルになるお知らせのメールが彼のところに何日か前に届いてたらしいのですが、彼がそのメールを読んだのが演奏会の当日。私に教えてくれたのが、演奏会場に向かってる車の中なんです!!え~それやったら、払い戻ししたのに・・・・。なんで今さら車の中でいうかなぁ・・・。もうこの報告をクリ子からうけた時には一瞬家に帰りたくなりました。(笑)

でも世はイースターで華やかに盛り上がってるので、折角ここまで来たんだから、楽しんで帰らなくちゃ!と気持ちを切り替えて演奏会を聴いてきたんですがね。実際演奏されるプログラムも庶民受けするような明るい曲が多くて楽しいものだったのですが、やっぱりプレートルが指揮するちょっと枯れたようで成熟された演奏が聴きたかった。

プレートルに変わってこの日代役を任されたのはヨーロッパやアメリカで活躍するベルトラン・ト・ビリー。彼の指揮はよくウィーンでは見かけるのですが、やっぱり若い。春の喜びを表したプログラムだけに彼の躍動感とエネルギーが全面に出た演奏でパワフルでそれについていくウィーン交響楽団。かれらの集団はウィーンフィルのような独特な音色はないけれど、技術的に安定したアンサンブルの上手な団体で、ウィーンフィルみたいに繊細だけど時にはどこか危なっかしいぞ!っていうこともなく安心して聴いてられる集団なので、今回もビリーとタッグを組んで安定したものを奏でていたのですが、敢えて私はそれを88歳のジョルジュ・プレートルの自由でかつのびがあって品のある指揮で聴いて見たかったというのがやっぱりの本音。

あ~プレートルが現役の間に、是非一度は生で出来ればウィーンフィル、そうじゃなければウィーン交響楽団で聴いてみたい!!

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