お馬鹿なフェアー

昨日ウィーンでは実にお馬鹿なフェアーがあった。その名もウィーンで世界初の”離婚フェアー”。このフェアーは離婚をより円滑に簡単に解決することをうたっており、離婚することを勧め、離婚を望む人々を呼び込む為に開催された。

IMG_5975.jpgアッポンタンか、ウィーンは?離婚を推薦してどうするの?そんなの世界初って堂々と威張ってする催し物とは違うような気がするんだけど・・・もっと世が幸せになる催しを率先してやって欲しいものだ。

ウィーンでは離婚率が高く66パーセントの確率だと言われている。そして日本人とオーストリア人のカップルは私が知っているだけでもほとんどが駄目になっている。離婚率にしておよそ8割ほどだ。実はこのことで最近少しナーバスになっていた。その為、ブログもお休みしていた。

クリ子と結婚して約一年半。まだまだ甘い生活もあるが、どこかでだいぶシビア-になってきている。増してや家を田舎の方に建てるとなるとお金の問題で色々と二人の思いが違い、そして田舎で生活していく上での私の孤独感、そして子供ができても誰にも頼れない孤独感からちょっと息苦しくなっていた。私を知る女性は、オーストリア人にしても日本人にしても本当に私がその田舎で暮らしても寂しくないか?そしてやっていけるかをすごく心配している。そしてクリ子のお婆ちゃんもお母さんも私のことが心配でならないみたいで、できるだけウィーンに住むことを進めている。

IMG_5974.jpgもちろんお金がいっぱいあればウィーンで土地を買って家を買いたい。だけど現実土地が高騰していて私達が思うような土地、そして家はウィーンでは買えない。クリ子は自分の力で土地を買い、大きな庭付きの家を買うのが男の甲斐性だと思っている。そして自由にピアノを私に弾かせてやり、ゲストルームまで作り、いつでも日本からのお客さんに宿泊してもらえるような部屋を作ることを夢見ている。確かにそれは嬉しい。だけどやっぱり私は不安だ。今の仕事も失い、毎晩、夫が家に帰ってくるのが夜の10時過ぎ。もし出産などになったら一人で救急車を呼び、知らない街の病院に搬送され、クリ子が1時間ほどかけてそこに来てくれるまで一人で頑張らなくてはいけない。何故ならば私の両親もクリ子の両親もそして、私の友達も誰もその土地に住んでいないから、頼る事ができないのだ。増してや私にとっては外国。

出産はどうにか頑張れてもその後、何十年とその田舎に暮らしていくうちに自分が追いこめられないだろうか?などと色々と考えてきた。クリ子に言っても私の両親に言っても心のどこかに”Oyumichenは強いから大丈夫よ!”という気持ちがある。だけど実際、そんなに強くない。やっぱり外国に住んでいる孤独感はすごいものだ。

IMG_5976.jpgだけど私は自分の選択に後悔していない。クリ子と結婚する時も散々考えてて出した答えだ。結婚する前から8割から9割は駄目になると言われている日本人とオーストリア人の結婚。だけどあの時の私、そして今の私にはクリ子がとても必要だ。彼がいてくれて彼の支えがあるから私は大きく成長できたし、笑っていられる。そして色んな方からのアドバイスもあり私は彼と結婚した。そしてそのことに後悔はしていない。

私は小さい頃から自分の対していつもその時できることを精一杯しているつもりだ。私が小さかった頃、母に”私いつ死んでもいいねん!何かの事故にあって急に死んだとしても私、今までその時、その時できること精一杯やってるから悔いないねん!”と言ったら母は”そんなアホみたいなこと言わんときなさいな!自分達(親)より早く死ぬなんてそんなこと許しません!”と怒られた。そらそうだ。親より早く子が亡くなったらそれは親不孝だ。それが分かりだしたのはこの最近。それまでは私いつ死んでもいいよ~!ってな感じだった。何が言いたいのかというと私は失敗しようが何をしようが自分が選んで進んだ道、そして自分の人生に悔いはいつもないつもりだ。その時にできる、それが一番の方法だから。

IMG_5983.jpgだから世の統計からいくと8割近く駄目になると言われるクリ子との結婚も後悔はしていないし、満足している。先がどうなろうと・・・だけどどこかで不安な自分もいる。もしクリ子と将来駄目になったら私、野ざらしにされるんやろうかぁ~・・・その頃、日本に帰っても私の居場所もないしなぁ・・年金とか、保険とか色んな保証はどうなってるんやろう??外国人との結婚では色々と決まりや問題も多く、慰謝料もこうしておかないと外国人の場合はもらえません、とかもし離婚しても苗字をダンナの姓のまま、仕事上など使っていきたい場合は日本人である場合はこうじゃなくてはいけませんとかこれが大変なのだ。先がどうなるかわからないが、一応どんなことが起こってもいいようにクリ子にちょいと聞いておこうと思った。そうすると”なんでOyumichenはそんな悪い事ばっかり考えるの?僕との結婚将来駄目になると思ってるん?そんなんあほらしいわぁ・・統計がどうであろうと僕はOyumichenと一生一緒にやっていけると思っているし、もし離婚したら?なんて考えたないわ!”と怒られてしまった。そりゃアナタの気持ちもわかる。だけど私にとってこの外国で、もしのもしそういうことになったら私一人ぼっちやん。お金もない。なんにもない。そして何にも世間のことわからん!それじゃ怖いから、そう自分が追いこめられへんように知っときたいし、手を打てるものならうっときたいの!と言っても男性には分かってもらえない。今が幸せならそれでいいと思う男性と、先のことまで考え不安になる女性。やっぱりここはわかりあえないのか?

そう考えているうちに追い詰められて、どうしたらいいのかわからなくなってきた。クリ子は一直線に家を建てることに向かって進んでる。だけど私はどちらかというとウィーンに住んでいたい。田舎に緑の沢山あるところで子供を育て、ハイキングに乗馬にヨット、そしてピアノを自由に弾けて大きな家と庭を持つことを幸せと考えるか、何を自分の人生で大切に、そして一人の人間としてそして一人の女性として、そして妻として、そして母として、そして外国人として自分を追い詰めずに器用にストレスを発散する方法や家族だけでなく自分の生き甲斐を持っていられるか?そのことによって家族に笑顔で接することができ自分をそして家族を追い詰めないで幸せにやっていけるのか?私という私だけがもつ個性や考え方、その私がこのオーストリアで私が選んだ家族と円満にやっていけるにはどう考えて、どう家族と接し、どう自分の人生と向き合っていけばいいのか、考えるところである。

だけど少し不安になっていた心がこの2、3日で解消された。クリ子にも私の不安な心が少し読み取れたのか?二人で二人なりの人生の歩み方、そして家族のあり方を助け合いながら、模索していくことにした。

ウィーンの人よ~、離婚フェアーなんて考えてないで、どうしたら家族が円満にずっと一緒にやっていけるか?を提案しておくれ!!

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