秋の装い

IMG_5807.jpgウィーンも秋らしくなってきた。街ゆく道には黄色く色づいた葉が舞い、黄色い絨毯の上を歩いきながら仕事に行ったり、お買い物に行ったり落ち葉の中に行き交う。腑と横を見るとまだまだそんなに寒くないウィーンではこの哀愁漂う秋の風情を楽しみながら外でお友達とカフェをする光景を目にする。

IMG_5824.jpgもう気づけば10月。街にはちらほらクリスマスのデコレーションまで見られるようになってきた。なんて今年は一年が早いんだろう・・つい最近、春だと思っていたのに、もうすぐまた一年が終わる。なんか歳と共に一年がどんどん早くなってきているような気がするのは私だけではないはず。何もせずして一年が早く終わっていく感じを感じずにはいられない私。それでも一生懸命一年を満喫しよう!充実した一年にしよう!何かを自分で吸収して成長できる一年にしようとしてあがいて一生懸命な自分がいるのも事実。そんな自分が腑と気づくとそれはただただ水におぼれかけた虫のようにあがいているかのように思え哀れに思う。

IMG_5825.jpgあまりの時間の進みの早さに、それでも何か吸収したい、成長したいと思ってあがいている自分が惨めなような、それでも頑張りたいようななんか複雑な歳になってきた。もうすぐウィーンでは秋の終わりと共になが~い冬に突入する。そして一年は過ぎ去っていく。昔なら季節も関係なくガムシャラに夢に向かって頑張っていたのかもしれないが、色んなものがちょっとずつ客観的に見れるようになってきた今では、なんだかガムシャラに頑張るということができなくなりつつある。だけど一年が終わる前に何か今年一年、学びのある年であったと自分で思えるように日々頑張ろうとする自分もいる。落ち葉が舞う時期と共に私の心も色んな思いが心の中で舞うのであった・・・

家族の日

IMG_5892.jpgこの最近忙しくしていて休みがない。そんな時に限って色んなところからご招待されたり、ご招待したり用事は重なる。クタクタになりながら毎日を過ごしているこの最近。そして今日もまた用事があった為、昼からお出かけ。目的地は私達が買った土地のご近所さんのところへ。

え!その日、そこに行くんだったら私達も一度そこに行ってみたいわぁ。アナタ達が一体どんなところに土地を買ったのか見てみたいもの~。と言い出したのはクリ子のママ。いいわよ、いいわよ!ご近所さんとのお話し合いが終わったら一緒にその周辺をお散歩しようよ~!ってな訳でご近所さんとのお話合いが終わる頃を見計らってクリママとクリパパがやってきた。

IMG_5876.jpgいつもここに来る時は何か用事があって来ていることが多いので実はこの辺りを散歩してみるのは始めて。4人で1907年まで実際にある家族がこの洞穴で生活をしていたという洞窟に行ってきた。

IMG_5882.jpg山を少し登ったところにある洞窟は入り口からは想像ができないほど中が広く、ずっと奥までつながっている。そこに火を起こして食事を作っていたと思われる台所部分、そしてきっと寝床に使ったであろう場所など見ているだけで次々と色んなことが容易に想像できるぐらい実用的でリアルな洞穴だった。

IMG_5887.jpgそしてその後はクリパパの希望で湖に行ってのんびりと湖を眺めながらカフェをすることにした。家族4人で小さい一つのベンチに座り、湖を眺めながら食べるミルフィーユ。さくさくとしていてオーストリアでは珍しくとっても軽い感じのおいしいケーキだった。

IMG_5885.jpg4人でギューギュー押し合いながらベンチに座り食べる軽いお食事。みんなで食事を交換しながら仲良く和気藹々と食べる。大きくなるとなかなか親子が体がペッタリくっついた状態でお食事したりお喋りしたりする機会がないので、なんだかとっても新鮮であったかい素敵な時間だった。

IMG_5894.jpg最後は4人で夕日が沈むのを見てのんびりゆっくりと家に帰ってきたのでした。親孝行もたまにはいいものだ。パパァ~ママァ~と言って甘えられる家族がウィーンにもいることに感謝。

ちょっと嬉しくなったひとコマ

昨日、仕事に行くのに路面電車を待っていたら一人のおばさんが私の方に向かってやってくる気配がした。やば~なんやろ~。顔をそっちには向けず反対の方をずっと見ていた。お婆さんやお爺さんがいるとすぐなんだか手を出したくなるワタシだが、それ以外の人にはすましているワタシ。何故ならば、好意で何かお手伝いしようとするとお金くれだの・・・ライター持ってないだの、酔っ払いだの変な人に当たるから。

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だから今回も知らん振りをしていた。そしたらあの~・・・と声をかけてきた。なんだ?と振り向いたらそこにはおばさんが電車の切符をワタシに見せて、”アナタ今から電車乗るの?私の切符一日券で今日一日中、この切符を持ってたら乗り放題なんだけど、私もうお買い物の用事が済んだからもう後はそこにある家に帰るだけだからこの切符いらないんだけどアナタ使わない?差し上げるけど・・”と言って頂いた。なんだぁ~おばさん変な人じゃなかったんだぁ・・それよりこんな親切なおばさんに会うの久しぶりかも?!

“お気持ちは嬉しいんですけど、私定期券を持ってるもんで・・・・”っと言うと”じゃあこれは役に立たないわね!引き止めてごめんなさい。じゃあまたね~!”と言っておばさんはそのまま家の方に向かって歩いていかれた。

なんだか嬉しかった。ウィーンにはおせっかいなおばさんも多いけれど冷たいおばさんもいっぱい。そんな中で久しぶりに出会った優しいおばさんんだった。