身近で起こったテロ

どんどん生きづらくなってきている世の中。オーストリアも他のヨーロッパの国同様に毎日目を疑うような数で新コロナ感染者が増えていて、火曜日から始まったロックダウンは来週には規制が厳しくなっていくのではないかと思っている母ちゃん。テロのこともあり世の中は一体どの方向に向かって進んでいるんだろう・・・とぽか~んと空に向かって問いかける毎日です。

ウィーンで起こったテロから明日で一週間。日が経つごとにすごく身近で起こったことと感じられずにはいられません。実際テロがあった時間は母ちゃんは仕事先で仕事を終えた後、明日からロックダウンが始まるからと今日は最後の日だから一杯ワインでも飲んで帰らない?と勧められてそこでワインをご馳走になっていた母ちゃん。20時半すぎにそこの旦那さんから電話がかかってきて”テロが起こった!!今日はいつ帰れるかわからない!!”という電話が入り、母ちゃんも急いで家に帰ったのですが、昨日改めて聞いてみると、まさに現場。銃撃があった現場数十メートルのお店で同僚と飲んでいた彼。(このブログでも何度か出てきたことのある司法の仕事をしていて家族ぐるみでの付き合いがあります。)始めは明日からロックダウンだから若者が爆竹騒ぎでもしてるのかと思ったら、それがあまりにも長く、そのあとすぐに警察官がやってきて、今すぐお店の扉、窓の鍵を閉めて!そしてここから一歩もでないように!!と言われ、ずっと不安な状態で日が変わるのを待ったとのことでした。それだけでも十分恐怖を感じたのに、今度は毎週家のお掃除をお願いしているミヒャエラの妹がその現場に居て、ありとあらゆるすべてを目撃して、逃げ込んだバー店内に今度は息をつく間もなく特殊部隊が突入してきて、今度は全員壁に向かって両手をあげろ!!!と銃をむけられ、身体検査をうけた・・・など映画でしか見たことのないことがそこで起こってました。この妹さんの今の精神状態を考えると頭が想像することを拒否してしまうぐらいもうどうにも表現できない感情に襲われます。極めつけは教鞭をとっている生徒さんから亡くなった女の子を知っているのよ。実は教え子だったのよ・・・という話を聞いたときは、もう本当に何の言葉が出てこなくてただ涙がこぼれました。今でもこうやってブログを書いている今も涙が溢れます。

母さんはそんな知り合いが多い方ではありません。どちらかというと外国人ということもあり少ないです。それなのに毎日のようにこんな話を聞くと、いかに自分の身近で起こったものだったのかということを痛感させられずにはいられません。穏やかなウィーンが・・・という前に本当に世界はどっちの方向に向かって進んでいるのか???それを考える毎日です。宗教、移民、色々なことが絡みに絡み合って複雑になっている今の世界。色んな感情がこの数日めまぐるしく襲ってきて、いつも外に行くときは身構え、どこか背中に緊張が走った状態で、夜もしっかり寝れない毎日をみんなが送っています。

最後にこんな状況の中、先日この映像を見て、涙がしずかにひたたり落ちました。(テロが起こった当時、国立オペラ座では上演がされており、テロが起こってもそのまま最後まで上演したそうです。そして終演後、子供連れから順番に家路につくように警察が先導したらしいのですが、その間ずっと深夜になってもまだオペラ座の中で待機させられている観客に少しでも不安を紛らわしてもらおうと、公演が終わって家路に着くために私服に着替えたウィーンフィルの楽員がオーケストラピットに戻ってきて演奏を奏でてくれたそうです。)

https://www.youtube.com/watch?v=wEYpJq096CQ&ab_channel=RTDeutsch

ウィーンの魂は決して消えない。死なない。

少し落ち着きを戻してきました

治安がよくて穏やかで住みやすい都市の上位に選ばれてきたウィーン。そんなウィーンで先日テロがありました。テロがあった時間、母さんはまだ仕事中で外出先でした。まだテロの情報が錯乱する中で急いで家に帰ってくる道中もパトカーやサイレンの音で只事ではないことがわかりました。眠れない夜を過ごし、次の日は学校も幼稚園も休校になり市民みんなが不安な日を過ごしました。この日から二度目のロックダウンもはじまり、みんなの心が疲れ果て、しんどい数日を過ごしてます。テロの詳細が少しずつ解明されてきて、街は少しずつ落ち着きを戻してきています。子供たちは普通に学校にまた通えるようになり、コロナとテロの不安を抱えつつも笑顔をみせてくれています。心配をして下さったみなさん、少しずつウィーンの人たちは平常心を取り戻して、コロナやテロを警戒しつつも普通の日常を過ごせるようになってきたました。私達のことを心にかけて下さりありがとうございました。皆さんに心配をかけたくなくて、とりあえずご報告までにブログをアップさせて頂きます。

世界が平和をまた取り戻せる日がくることを願って・・・・。