もう一つの実家

オーストリアは祝日だった今週の月曜日。クリ子の弟、ベアニーのお誕生日お茶会によばれ、クリ子の実家に行ってきた。

彼の誕生日は本当は9月末なのだが、その時期、私達はイタリアに行っていた為、一緒に祝うことができなかったので、この日になったのだ。

今回はベアニーと彼の彼女アンジェラ、それとクリパパ、ママとの6人でのお茶会。残念ながら、写真は撮らなかったのでその様子は一枚もないが、クリママとクリパパが二人で作ったという、杏のケーキがとても美味しかった。優しい手作りの生地の味がして、このケーキを食べるとなんだか温かい気持ちになれた。

そういやこの家にはなんやかんやと一ヶ月に一度は顔を出しているような・・。2週間ほど前にウィーンに遊びに来ていた母と実家を訪ね、母達は3年半ぶりの再会に色々、話に花を咲かせてたっけ。

この日は、お天気もよかったので外でお茶をしたのだが、毎回のことながら、この時期はこの家でオーストリア版アップルパイが出てくる確率大。

そして私がいる時には気を遣って頂いているのか、必ずお魚が食卓に並ぶ。この日は母とこの後、音楽会に行く予定だったので、クリ子のご両親が気を利かせて軽い軽食を用意してくれた。

毎回、同じようなものが食卓に並ぶけれど、それでも私達を想って用意してくれるウィーンの父と母の気持ちがちょっとしたものでもより美味しくしてくれる。

ウィーンの父と母よ~、今度また会えるのを楽しみにしてるよ!

おじいちゃんのケーキ

何故か私の入院のことがクリ子の会社でもそして、家族中にも知れ渡ってる、なんだか気恥ずかしいこの最近。

毎日のようにOyumichenはどうだ?回復に向かっているか?病院はどうだ?などとえらく心配してもらい、今日も朝一番からクリじぃーから電話がかかってきた。

フリッツじぃーちゃんだよ~!!元気かい?お見舞いと早い回復を願ってフリッツじぃーちゃん手作りのケーキを焼こうと思うんだけど、午前中は家にいるかい?家に持っていくからさ!

クリじぃーちゃんは私のことを心配し、病み上がりでも食べやすい軽いケーキを焼こうと、朝一からケーキを作り、出来上がったケーキがちょいと失敗作になってしまった為、また一から買い物に行き、私の為にケーキを作ってくださったのだ。

おじいちゃん、とってもふっくらとしていて優しい味がしておいしかったよ。何よりおじいちゃんの気持ちが嬉しい・・・それだけでケーキが2倍にも3倍にも美味しく感じたよ。

そんなおじいちゃんの愛情をうけ、そうこうしてるうちに今度はクリママから電話があり、元気??ずっと病院だったから外の空気を吸ってなかっただろうから、うちの庭に座りにおいでよ!いい空気吸って、お茶して・・・・

などと言われると入院中はお世話になったので、断るわけにもいかず、お礼と少し元気になった姿を見せに行ってきた。

本当はこの週末は安静に横になっていようと思っていたのに、何故かこんなそんなでバタバタだったこの週末。ちょっと疲れちゃったけれど、家族のみんなが私のことを大切に思っていてくれていることが、とっても嬉しかった。

ネネとクク

うちのクリ子さん、何を思ったか、日本に帰る前からすごく意気込んでらっしゃる。いやいや、そんなことしなくても・・・と言っても、彼はいやいや、折角のチャンスだから!だと・・・

一体、彼は何をそこまで意気込んでいるんだろう・・・

それは姪っ子、ネネに英才教育?をすること。って言ってもそんな大袈裟なものではないのだが、赤ちゃんの時からドイツ語で話かけて耳で覚えさすのだとか。

だから日本に発つ前も、”僕、ネネとはドイツ語でしか喋らないから!”と言い切っていた。

そして念願のネネと我が家の坊や、クリ子こと、ククのご対面。

“Hallo~、ネネ~!!”とネネに喋りかけるクリ子。

ネネの反応は以下の通り・・・

なんじゃこいつ?見たこともない顔な上に、なんか目も鼻も大きくてなんか変だぞ?なんか怖いぞ!ジ~っと見つめるも、段々不安になってきたらしく顔が歪んできた。その上、訳のわからん言語で話しかけてくる。顔も奇妙だし、言葉もなんか変な言葉だし、ママ~助けて~!!ウェ~ン~と泣き出す始末。

その後も数日間、クリ子の顔を見るだけで不安げになり、ぐずりだす始末。クリ子ピンチ~!!

クリ子も、ネネが僕の顔みるだけで泣き出しそうやから・・・とちょっとネネから逃げ腰。それでもクリ子、諦めなかった。機会をうかがってはネネに優しくドイツ語で喋りかけていく。その甲斐があってか、そのうちネネの顔が歪まなくなった。あ!このおじさん、実は優しい人なのかも??と、クリおじさんを認めてからは、ネネとクリ子をほっておくと、二人で仲良く遊ぶようになっていった。

ある時は、ネネと歩く練習。ある時はネネのしこ踏んじゃったダンスにつき合い、ある時はドイツ語の歌を歌っては聞かせ、なかなか素敵なコンビ、ネネとクク。

一年に一度ぐらいしか日本には帰れないので、ネネがクリ子からドイツ語を学ぶことは難しいだろうが、赤ちゃんの頃から、外国語に聞きなれていくうちに、私達が持っている、外国語だと思うだけで、頭がパニックになる恐怖心だけでもネネは持たず、外国語に親しみを持ってくれればいいな・・と思うのでした。

そして今日もクリ子はウィーンの我が家で、おもちゃのチャチャチャを口ずさむのでありました。