Seegrotte Hinterbrühl

長い長い地下の洞穴の通路を歩いていったその後に出会ったものは・・・それは地下の世界に広がる湖。

IMG_7971.jpgこの湖はヨーロッパで一番の大きさなのだ。

この湖は自然に出来たものでない。昔オーストリア人がギブス(骨を折った時に固定する為に使うアレ)を求めてここを掘った。その昔、オーストリアの農家ではギブスに含まれる飼料を水薄めて田畑に撒いていた。土を肥やす為、ギブスが必要だった訳だ。(日本人の発想からギブスを想像するとなかなか土壌を肥やす飼料になるとは想像がつかないが・・・)

IMG_7979.jpgそんな訳でオーストリア人は来る日も来る日もここを掘ってギブスの採掘した。年月をかけて広範囲にあたって岩石を掘っていくうちにある時、水が湧き出た。水が湧き出てきては仕事が出来ぬとその後、ここはギブスを採取するにあたって立ち入り禁止となった。

IMG_7975.jpgそして年月と共に、ある人物がここにフラ~と入っていってみるとギブス採掘の為に彫られた穴に水が貯まっているではないか!その人物はその地下の湖の素晴らしさをどうにか人々に伝えられないだろうか?と考え、この地が人々に公開されることになったのだ。(これらは当時使われていた灯りや道具。160年前の地下道を掘るにはロウソクの火しかなかった。そこを毎日すごい人数の労働者と馬がせっせと暗闇の中仕事をしたのである)

IMG_7985.jpgここは言わば人によってその時代の人々が生活する為に必要な物を求めて人口的に掘られ、その後時間ともに自然によってもたらされた人間と自然との融合によって出来上がった結晶なのである。

こんなものがウィーンの郊外にあったとはね、知らなかった。地下鉄の広告を何気なくみて行ってみたくなった所、クリ子に聞けばオーストリアの学校に行っていれば小学校に行っている間に野外活動として必ずいくところらしい。だけど外国人の私にとってみるとガイドブックに載せるほど有名じゃないけれど、だけどこれはオーストリアの歴史上、かなり興味のある場所で私にとっては発見だった。

闇の世界へ・・・

大雨が降っても雷が降っても、ハリケーンが来てもそんなことはよその世界ってな感じで平然といつもと同じ状態でいるのが地下の世界。

IMG_7974.jpgここはどんなに暑い夏でもどんなに寒い日でも絶えず一定の温度である。

IMG_8003.jpg160年前に沢山のオーストリア人によって来る日も来る日も掘られつづけられた岩石。ここには人を惹きつける何があったのだろうか?

IMG_8001.jpgひっそりとし、外からはこんな世界があるとは信じられないそんな秘密の僻地に時代と共に変化を遂げていったこの地は人間と自然の共存によって今の世界が出来上がったのだ。

IMG_7998.jpg人々はここを掘るにあたって鉱山や山で働く者を守る守護神を祀り、事故や災害から身を守った。

IMG_8002.jpgさぁ~一体ここを歩いていけばどこに辿り着くのだ?

UEFA EURO 2008

IMG_0435.JPGヨーロッパ・チャンピオンズリーグが昨日からオーストリア・スイス共同主催で始まった。これにあたりサッカーに興味のない人にとっては迷惑なことばかりが続いているし、経済効果がそれほど見込めるとは思えないオーストリア。何を言っても一番の盛り上がらない理由はオーストリアチームが弱いことだろう・・・

IMG_0430.JPGこのUEFAカップの主催国であるスイスが開催日当日に負けてしまった以上、もう一つの開催国であるオーストリアに頑張ってもらわなくては主催国としての顔も立たないというものだが、開催日2日目にしてオーストリアは強国クロアチアと当たることになった。絶対負けるデ!オーストリアとクロアチアのチームの技術の差はかなりひらくし、その上、サッカーに対する情熱もオーストリア人とクロアチア人では違う。オーストリア人はどうせ主催国だから出させてもらえたけれど所詮弱いチームだし・・みたいなところがありどこか冷めている。それに対してクロアチアはすごい熱狂の仕方だ。

IMG_0437.JPG何が嬉しくって日曜日のそれも夕方のオーストリア全土で盛り上がってるサッカーが始まるような時間に仕事に行かなくちゃいけないだろうか?外はサッカー一色。もうすぐオーストリアとクロアチアのプレーオフが始まるという今は街中でそれぞれのチームのユニホームを着て顔まで国旗の絵を描いて、ビールを飲んで・・・そんな中、しんみりと仕事に向かう私、はっきり言って虚しい。

IMG_0433.JPGだけど嫌というほどみんなの崩れた姿を見て仕事後に絶対ここの現場を観察に行くゾ!そして写真に収めてやる・・・と心で思っていた私は仕事が終わった後、仕事着のままカメラを持ってサッカーファンの為に設置された歩行者天国に行ってきた。これが虚しいのなんのって・・・仕事着の人は私一人だけ。後はラフな格好にビールでもう出来上がった顔の人ばかり。いやいや折角ここまで来たのだからこの目で主催国オーストリアが戦うオーストリア戦を見なければ・・とかなり恥ずかしかったがそこで見てきたのである。

IMG_0439.JPG結局オーストリアはクロアチアに1対0で負けてしまったが所詮こんなもんだろうと私は思う。どこかで”なにくそ~”というハングリー精神がないオーストリアチームに親近感が沸く私がいる。どこか気が弱く、押しが弱いオーストリア人、誇りは人一倍、だけどどこかお人よし・・なんかこれって日本人に似てない?っていうのが私の分析なのだが、こう一面を見ると負けて残念だけどどこか同類という安心感が沸く自分がどこかにいる。

IMG_0431.JPG日曜日に関わらず仕事して、家の掃除や洗濯、料理して・・・・・街のゆる~い時間を見てクソ~と思ったけれど、その後、しんどい体を押してダンス教室に行って、そしてワイン農家の今年のお勧めワインの試飲パーティーに行って、色んなワインを飲んで気に入ったワインを結局10カトーンも頼んだ私達。忙しくもあったけれど充実した一日で終わりよければすべてよし!ってな感じかな??