その後いづこへ?

IMG_3074.jpg桂離宮を後にし、私達が向かった先とは京都と福井の県境、美山だ。何故ここに行ったかというとここに昔ながらのかやぶきの家でできた集落がまだ残っているからだ。

IMG_3075.jpgここの集落の4割の民家が江戸時代に作られたもので実際にまだここの村の人達が住んでられる。

IMG_3077.jpgこのかやぶき屋根の厚さにビックリ。すべてススキで出来ている。この村のあちこちで屋根の痛んだところを修理する為にススキが植えられ、切り取り束にして干されていた。

IMG_3079.jpgこのかやぶきの家の中は見かけとても寒そうに見えるが実際はすごい暖かいらしい。一軒の家に入るとそこには囲炉裏があった。懐かしい・・・そして囲炉裏のヤカンからその村に住まれているお婆ちゃんがお茶を入れてくださった。これがとってもいい香りのお茶でとってもおいしかった。

IMG_3082.jpgこれは昔のお風呂らしい。お婆ちゃんの家が昔、五右衛門風呂でたまにおばあちゃんの家に行くと台所から面したお風呂の外から薪を炊き”お婆ちゃん、お湯加減はどうですか??”って聞いたことを今でも鮮明に覚えている。こういう昔ながらの家を見ると、お婆ちゃんの台所やそこから面した庭に立派な柿が育っていたことを思い出す。柿を食べるのは苦手だったけど柿採りは楽しかったなぁ~

IMG_3085.jpgわらじ・・・外国で暮らすのが長くなってくると異様にこういうものに見ると日本らしさを感じて、一人でジ~ンときてしまう。

外国に住んでるとその国の文化や街並み、歴史ににいっぱい触れることができ素晴らしいが、その分また日本人として日本のよさをも改めて見直し日本という国に新たに誇りをもつのでした。

長い間にわたって書いてきた日本の滞在期もこれにて終わりとさせて頂きたいと思っております。長い間皆さんお付き合い下さいましてありがとうございました。今回、日本に帰って一番に思ったことはやっぱり日本って素敵な国だな!そして日本人に産まれてきてよかったということです。こっちに住んでると外国人扱いされ、自分の生まれ育った国のように思うようにことが進まないことが沢山あります。そしてまた日本に帰っても何をもって典型的と言えばいいのかはわかりませんが、私は典型的な日本人ではなくなってしまっています。どっちの国に居ようが私の居場所というものが見つけられなくなっています。だけど私は日本人に生まれたこと、そして日本人であることに誇り持っています。今回はそのことを改めて自分の心に確かめた日本滞在でした。日本滞在期間中、色んな方にお世話になりよくして頂き、また沢山の友達が忙しい中、私に会ってくださりったこと心から感謝しております。本当に素敵な楽しいひと時でした。ありがとうございました!

IMG_3093.jpg最後は日本のこのような素晴らしい風景や文化がこれからもずっと残っていくようにこの神社にお祈りして終わりとさせて頂きます。

仙洞御所と桂離宮

日本に行くのが今回で3回目だったクリ子。3回目ともなると京都の有名どころはほとんど見て回ってしまった。どうするかねぇ・・・いっぱい日本のいい所は見せたいんだけど、どこがいいかねぇ??う~ん・・・あ!前から一度行ってみたかったあそこにいこう~!!こんな機会がなきゃ行かないもんね。ってな訳で私達は早速京都御所の宮内庁案内所?に行った。だってここを拝観するにはあらかじめハガキで申し込むか直接そこに行って予約をいれなくてはいけないのだ。そう・・・めんどくさい作業なのだ。その作業に付き合ってくれた母とクサクサよ、ありがとう!!

IMG_2972.jpg予約も完了!!さぁ・・その日を楽しみにしておこうではないか??

IMG_2945.jpgまず先に行ったのが京都御所内にある仙洞御所。仙洞御所とは即位を退かれた天皇の御所で1630年に後水尾上皇の御所として建てたれたのが始まり。

IMG_2962.jpgいやはや御所自体は大火災で焼失してしまってないのだが庭はすばらしい。ちょいと皆さんご覧あれ!

IMG_2959.jpgこのさるすべりの立派なこと。御所の庭に植えてあるすべての木々が完璧な形をしている。

IMG_2948.jpgこんなところにかわいらしい実が・・・

IMG_2967.jpgさぁ・・皆さんこの石を見てどう思われる??話によるとこの石一つに対し、米一升で交換したのだからビックリだ。一体どれだけの米がこの石畳の為に必要とされたのだろう・・・

IMG_2970.jpgこの小さく見える滝は水をくみ上げているのではなく、滝の為に御所を掘り下げて落差を作ったらしい。その落差180センチ。

IMG_2976.jpgいやはやここはお金と労力を惜しまなくしてできた贅沢な庭だ。

さぁ・・日を改めて今度は桂離宮へと行こう!!

IMG_3002.jpg桂離宮とは17世紀はじめから中頃までに二人の親王によって造られた日本庭園の中でも最高の名園と言われているところである。

IMG_3003.jpgこの庭は何処から見ても庭が自分が見ている場所が庭の正面に見えるようなつくりになっている。

IMG_3013.jpgここはお茶室になっていたと思うのだが、17世紀のものにしてはかなりハイカラなセンスだ。このお茶室を造った人のアイデアが斬新で大胆なのには参った。遊び心があってこれは一つの芸術だ。

IMG_3020.jpgそこから続く小道。夜にお月見をしながらお茶を立て、その後、月明かりでこの小道を散歩し夜の静けさの中、池に映った満月を一人でぽつりと眺め、考え事ができたらなんて素敵なんだろう・・なんて少しロマンチックなことを考えたのは私だけだろうか??

仙洞御所と桂離宮に共通していえることは、お金と時間にケチをつけず贅沢に隅から隅まで手を抜くことなく庭を設計したその人の造りたいように作らせた贅沢な庭だということだ。石は自然の石と人間の手によって意図的に形づくられた石が意図的に並べられ、茶室などにおける木材においてはそのまま木の枝を使ったりして自然のもつ芸術をそのまま表現しているように思えた。どちらの庭園にしろ、妥協のない考えて考え抜かれた庭のように私には見えた。

段々時代が進むにつれて天皇という必要性が問われるようになってきたが、天皇がいてこその日本の芸術だと思う。こんなにお金と時間をかけて物を作れたのは天皇という地位と存在があったからこそだ。いろんな意見があるだろうが私は芸術をするものとして、天皇のお陰でこのような素晴らしい庭園が造られ、そして今現在もこのようなすばらしい形で残っていることを嬉しく思うし、感謝する。

IMG_3057.jpgさぁ~桂離宮を見た後、本当は家に帰るつもりだったのが、えらい遠いところまで足を運ぶこととなった。それはまた後日・・・

マイナス2度の中で食べるサバ

昨日から雪が散らついていたウィーン。気温も今日は日中、零下を越すことはなかった。こんな日の晩には煮込みうどんか?とも思ったのだが昨日の友達のブログを読んでどうしてもサバが食べたくなってしまった。たまたま今日の夕方入っていた仕事がキャンセルになったので今日は少し時間をかけて料理をしよ~う!

IMG_2869.jpg日本から帰ってきて以来、野菜をいっぱい摂ることに目覚めた私。さぁ・・今日の献立はどうするかねぇ~日本から冷凍して持ってきた塩サバを解凍し、その間に白菜とオアゲさんのたいた物を作り、お!冷蔵庫にこの前買ったルッコラやらほうれん草やら色んな葉がミックスされた野菜が残ってるゾ。ちょいとしなっとしかけてきたからこれをカニカマと玉ねぎのスライスとでマヨネーズとお酢と胡椒で混ぜ、サラダ一丁出来上がり~!!順調!順調!!

IMG_2874.jpgお!待てよ。もしかしたらクリ子、焼いたサバなんて食べられないかもしれない。チェ!!めんどくさい。食べられなかった時の為になんか違うものでも作るかぁ。。。豚肉と野菜のオイスター炒めでも作っておくことにするかぁ・・・よし後はサバが焼けるまで出来上がった料理から食べていくことにしよう~

もちろん、うちには魚焼き機などついてない。だからコンロの上で網で焼くのだ。う~ん段々いい匂いがしてきた。他の物をつつきながら魚が焼けるのを楽しみに待っていたのだが、予想より脂身の多いサバ。焼いている間に油がポタポタと落ち、気づけば部屋の中は煙で真っ白だ。換気扇など効果なし。サバの威力の方がすごかった。後もうちょいで完璧な焼き具合ってところで落ちた油が燃え出した。後もうちょっとだったのに~残念。

さぁ・・焼きたてを食べるぞ!って食卓についたのはいいのだが部屋の中は煙で真っ白。その後、窓を開け震えながらサバを食べたのは言うまでもない。外はマイナス2度。その中で食べるサバはちょっとサバイバル気分でだけど身が柔らかく、塩加減も薄めでおいしゅうございました。食事が終わってもまだ部屋がくさ~い為、窓をしめられなかった私達。マイナスの夜にサバが食べたかったが為にその後窓を開けた状態で毛布に包まり団子のようになっていたマヌケな私達。

だけどクリ子はサバ一切れひとりでおいしい、おいしいと平らげておりました。二切れ焼いておいてよかった~。今日の教訓!!今度サバを焼く時はもう少し温かい日にしよう!!