ミュージカル”Die Spinnen, die Roemer!”

毎年、夏に一、二度猛暑がやってくるウィーンですが、この暑さ3.4日ぐらいかと思っていたのですが、甘かったようです。今週いっぱい暑い日が続くようで早速、頭がボ~、体もなんだかだるいし・・・と夏バテ兆候が出ている私です。

Romer_Web1.jpgさて今日から7月。ウィーンから人気が去り、この週末からすっかりバカンスモードに入っています。夏休暇は国立オペラ座やフォルクスオーパーでも同じことで7月から2ヶ月間、休演となります。この2ヶ月間の休演前にどうしてももう一度演奏会に行っておきたかったので、今回は元気がでるミュージカル”Die Spinnen, die Roemer!”を木曜日に観てきました。

Roemer_Web3.jpgこの数日、クリ子も私もなんだかお疲れ気味で元気がなく、ストレスが溜まっていたので、お気楽で観ていて楽しくなるものが観たくて、前から一度見てみたかったこの演目をフォルクスオーパーで観てきたのですが、とてもテンポがいい上に笑いがあり、突っ込みどころ満載、音楽も軽快・・・かなり楽しませてもらいました。

Roemer_Web2.jpgこの演目、日本語では”ローマで起こった奇妙な出来事”というらしいのですが、私は今回、この演目をフォルクスオーパーが取り上げるまで知りませんでした。そもそもミュージカル自体観たのは今回が初めて。マイクを使っての演出に今まで抵抗があったのですが、実際見てみるとマイクのことなんて忘れてしまうぐらい、この演出にはまっていきました。

本当は春にもこの演目が取り上げられていて、その時はフォルクスオーパーの総監督のロベルト・マイヤーさん主演のもので見たかったのですが、チケットを取ろうと思った時には完売。出遅れてしまった為、シーズン終了間際のギリギリまで観に行くかどうか迷っていたのです。今回の演出では主役のロベルト・マイヤーさん役を女性が演じてられました。こういう演出の仕方っていうのもあるんですね。

ミュージカル自体観たのが今回初めてなので、今回の公演についても感想は控えさせて頂きますが、とにかくテンポがよくって楽しい演目なのには違いありません!!クリ子なんかはかなり大笑いしていました。ちょっと元気がないわぁ~って時に観たらなんだか気持ちが楽になった~、元気をもらった~!!というような今回の演出で、来シーズンも9月からこの演目をやるようなので、もしよかったら観に行ってみてはいかがでしょうか?ビデオが観たい方はこちらから。(写真、ビデオはすべてフォルクスオーパーのサイトから拝借)

バレエ ”カルミナ・ブラーナ”

いや~ホッとしたのか先週末の疲れが未だに取れず、体がだるくて仕方ありません。きっとあらゆる緊張がほどけたんでしょうね。もうしばらく体が回復するまで時間がかかりそうです。

さて先日、ずっと見たかったバレエ”カルミナ・ブラーナ”を観て来ました。この演目、もうプレミアから随分経っているのですが、まだまだ人気でなかなか行きたい日のチケットが取れなかったんです。そして先日、それがついに叶い念願のカルミナ・ブラーナを観てくることができました。

今年に入ってウィーン国立バレエ団と統一されてから、是非一度フォルクスオーパーでバレエをを観てみるべし!なんて思ってたんですが、なかなかのものでした。

一幕の最初の演目”牧神の午後への前奏曲”は男性と女性二人だけで踊るんですが、このバレエダンサー・ ミハイル・ソスノフスキの踊りが美しい。舞台は至ってシンプルで、二人のダンサーの衣装も肌色と裸に近いんですが、それでも踊り、そしてすべてが舞台芸術として素晴らしいものになっていた思います。

ラベルのボレロもなかなかの演出だったんですが、う~ん、もうちょっと踊り手さん達の動きが揃ってると迫力とメリハリがでていいように思うんですが、これはやっぱりウィーンのバレエ団だから目をつぶるしかないんですかね。

そして後半のカルミナ・ブラーナ。メディアの批評なんかでオケとコーラスが微妙にずれてるのが気になる・・・と書いてありましたが、やっぱりこれが目立って、バレエに集中できず。合唱団は指揮者が見えない位置で歌わなくてはいけない配置なので、ずれるのは仕方ないのかもしれませんが、これ、どこか客席から見えない高いところか隅にモニターで指揮者の動きを把握できるようにはできないのですかね?

演出も構成もすべてなかなかいいものになってるだけになんだかオケと合唱団のズレが残念で仕方ありません。でもフォルクスオーパーでのバレエ鑑賞、なかなか見甲斐があり、私達にとっては十分に楽しませて頂きました。(写真などはすべてフォルクスオーパーの公式サイトからお借りしました) ビデオを見たい方はこちらから。

あと今シーズン、2回ぐらいはフォルクスオーパーに鑑賞に行きたいな!!

チャルダーシュの女王 (オペレッタ)

またオペレッタが見たくなって4月下旬に”チャルダーシュの女王”を観にフォルクスオーパーに行って来ました。この日は歌い手の Sándor Némethさんの70歳のお誕生日とフォルクスオーパーでデビューを飾ってから30年ということもあり、特別の記念公演が行われました。

オペラやオペレッタに興味を持ち始めたのはこの1,2年でそれまでは全くと言っていいほど興味がなかった私なので、Sándor Némethという歌い手さんもその日まで知らなかったのですが、この日のこの公演、本当によかった。

家からフォルクスオーパーまでが近いということもあってこの最近は舞台、演出が昔ながらのものを選んで観に行くことが増えてきたのですが、ここまでオペレッタを堪能したのははじめてかも?ってぐらい楽しませてもらいました。

この日のキャストの歌いぶり、そして演技もなかなかのもので見甲斐、聴き甲斐がありましたが、なんといってもやっぱりこの日は Sándor Némethさんなんでしょう。Sándor Némethさんの舞台を見させてもらうのは初めての私達ですが、それでもこの方が舞台に出てこられるだけで、この舞台を何百回とやってこられたベテランの領域と貫禄に圧巻させらえます。

もちろん声に張りなどは他の歌い手さんから比べると劣りますが、演技そしてお得意のタップダンスには魅了させられました。70歳にしてあの足裁きはすごい!!

そしてこの演目にはJay Mamanというフェリから始まり、シルヴァ、ポーニ役へと歌い継がれていく有名な三重唱があるのですが、これがSándor Némethさんの見せ場。歌って踊って、本当に魅了させられました。もちろん観客の方もこれを見に来られている方が多いので、みんな大喜び。また舞台が終わってないというのにスタンディングオベーション。結局、観衆のあまりにもの大反響にこの日はこの歌をハンガリー語、英語、日本語、ロシア語もあったっけ?版で3回ものリフレインで大サービス。聴き甲斐がありました!!

演目が終わった後は、花束贈呈や祝辞などのセレモニーがありましたが、70歳にしてこの声量、ダンスは驚きです。これからもお元気で現役で活躍していって下さることを心から願うばかりです・・・。